□恋をしてしまいました…。(前編)
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『だから、周泰殿に惚れた理由、性格だけではないんでしょう?』
『ウ…そりゃあ、私の事が絡むと、妙に煩くなる殿たちとは違い、周泰殿は、私と特に関わるような事が無かったからとはいえ、私に話しかけられても、物静かで……その……。』

「…惚れた理由が、ああゆう理由とは…、諸葛亮さん、乙女チックだなぁ…。」
諸葛亮と酒を飲んだ後、綾統は自分の部屋で一人、考えていた。
(……関わった事なんか無いから、惚れてしまったけどその恋が叶うはずなどねえ、か……。…ん?じゃあ、張コウと趙雲についてはどうなんだ?ほとんど関わった事なんて無いじゃないか……。)
そう考えながら月を見ていると、その月は徐々に雲によって隠されてしまい、見えなくなった。すると、ポツッ、ポツッと水の滴が地面に落ちたような音が聞こえた思えば、雨が降り出した。
「……まさかこの雨、諸葛亮殿が切ないという感情を抱いてしまったから雨が降ってきたなんてこと無いだろうな…。」
一人なのに冗談交じりにそう呟いた綾統。
すると、外から人の気配感じたのか、武器を構え、部屋から出て行った。


「………諸葛亮…?」
その気配の主が諸葛亮だと分かり、警戒心を解くと、中庭で雨に打たれている諸葛亮の所へ、傘を持って走っていった。
「諸葛亮殿…?」
「……………。」
諸葛亮も綾統を見つけると、にこりと微笑む。綾統は持ってきた傘に諸葛亮を入れると、彼の目から流れている何かがあると分かったので聞いてみる。
「……諸葛亮殿……泣いてんですか…?」
「……酷い男ですよね、正妻である月英の時でさえ、惚れたのに泣きもしなかったから……。」
「……………。」
初めて見る諸葛亮の涙に、綾統は何も言えなくなった…。




翌朝、
「周泰!今日頼みてー事があるんだ!!」
「……?」
「抱かれろ!!!」
「ッ!!」
ガンッ!!←孫策の額を思わずパンチ!
「ずぇっ!!?」
「ナイスパンチだ幼平!さすが、私の惚れ込んだ男!!ああ、兄上を選ばず、もしや私を選ぶと言うのかい…!?(ハァハァ」
「……大丈夫ですか、孫権様…、まだ昨日の酒が残っていらっしゃるんですね……。」
「え…。」
「殿様方、やはり周泰殿は、私と共に過ごすのが正解かもしれません、ですから、いくら殿でも、彼を譲るなんて事は出来ません!」
「陸遜…お前、周泰の気持ち分かってて言っているのか…?」
呆れて聞く呂蒙に、陸遜は笑う。
「ええ、分かってて言ってるんですよ!周たi」
「……チッ……。」
「………(ガァァァァーーーン」

……何か言われて傷つくのもあるが、何も言われずに睨まれると(しゃべらぬ代わりに舌打ちとか)、それはそれで傷つく。

「すごいわね周泰、貴方を変にベタ惚れしている兄さま達を………。」
「じゃあ泰チン!あたしと一緒に遊ぼー!」
「ちょ……小喬殿……!」
「なんか周瑜サマ、昨日気絶したきり、『お化け…恐い…』ってうなされながらぜんぜんおきてくれないからつまんないんだよね。」
「…そ、そうですか……。」
「……また小喬に取られちゃった……(泣」
「策、権…何回言わせる、だから周泰は、玩具ではない…(呆」
「だって、父上〜〜〜〜(泣」
「「「はぁ……。」」」

「……で、どうなの泰チン!」
「…?」
部屋の外で、突然頬を膨らませて怒り気味に聞く小喬に、周泰は首を傾げる。
「あんな風に迫ってくる孫権サマたちとは反対に、亮タンはあまり泰チンのことデレデレしたりしないでしょ?」
「……!」
「…へへ〜ん、泰チンの気持ちなんて、小喬にはバレバレであるのだ!」
「……へぇ……(汗」
指を指され、思わず引いてしまった周泰に、小喬は顔を近づけてこう聞いた。
「…もう一度、はっきし言ってみてよ泰チン、泰チンには、好きな人とか居ないの?」
「…………。」
「(もしちがってたら、はっきしあっさりきっぱり違う!と答えるのが泰チン!!)やっぱり。じゃあ、その好きな人って……亮タン?」
「〜〜〜〜〜〜〜〜//////」
「(やっぱり、泰チンの場合、答えないことが、否定の答えじゃないからねぇ〜。)別にむりやり好きになれ!っていってるつもりはないけど、孫権サマとかいるのに?」
「…それは……。」
「しかたないよね。このサイトの孫権サマ、いやに変態だから……(汗」
「…………。」
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