□恋をしてしまいました…。(前編)
8ページ/11ページ

「ねえ泰チン、亮タンに気持ちつたえたら?」
「……。」
「いつまでもそんなんじゃあ、亮タン、かわいそ〜(涙」
「………俺と諸葛亮殿は……合いません……。」
「もぉ!そう言ってすぐ逃げようとして!」
「……ん?…諸葛亮殿が…可哀想…?」
「え……気付いていないの?」
「……?」
「…………(…こりゃ困った。気付いてなきゃ、うまくいかないかも。)……泰チンは亮タンのこと大好きなんでしょ?」
「だ、大……(焦」
「もしその気持ちが、亮タンにいつの間にかつたわったら、どうしようか?」
「…迷惑がるでしょう、その時になれば、関わらない方が……。」
「(ムッ。)それだったら、もっとかわいそう!」
「……では、どうすれば……。」
(ほんとに恋愛系だと、泰チン鈍感なんだから!)と再び頬を膨らませた小喬。
周泰はその小喬の仕草に、ずっと疑問を抱き続けている。
「………ほんとに亮タンに大好きっていわないと……亮タン、泣いちゃうよ?」
「…泣く…?」
「ま、きっと分かるよ!あたし、周瑜サマの様子見にいってる!!」
「小喬殿………。」
周泰にとって、本当に訳の分からない言葉を残した小喬は行ってしまった。
「………??」
…と思ったら、戻ってきた小喬。
「そーいえばぁ、亮タンねぇ、統くんによると、今やんでるらしいよぉーー!!」
「……病んでる??」


「………うぅーーーーーーーーーーーーーーーーー。」
その頃、諸葛亮は、熱を出してしまい、今寝台で横になっているのだが、彼は今、同時に物凄く落ち込んでいる。
「…綾統、あ、あれが諸葛亮さんか?(汗」
「疑問に思うだろ、昨日落ち込んで、雨で濡れても、そのまま中庭でつっ立っちまった挙句、それが原因か、はたまた他のが原因か、熱を出しちまったようでね。あの状態じゃあ、もう一泊させないといけねー。」
「ほんとだな、にしても……自分があんな風に…まるで岩が自分の上に落ちてるような体の重みになるくらい、体を弱らせるほど、恋というのに追い込まれてるなんて……。諸葛亮さんらしくねえな…。」
「……それほどまでに、周泰殿を愛しつつ、でもその想いは届かないんだと思っているんだよ、あの軍師は……。」
「………。」
「…周泰殿は、やはり孫呉にいらっしゃる武将達の誰かと合うのかもしれません…。」
「「!」」
甘寧と綾統の会話が聞こえたのか、諸葛亮はその会話に入り、再び自分を謙虚しているような言葉を出した。
「寝てる間、思ったのです…、主を守る護衛の方に、軍師、しかも違う国の私はその護衛の事を愛してしまった……、これは本当におかしいです。己の命を犠牲にしてでも、主を守りたいと思っているほど、周泰殿は孫権殿の事を思っていらっしゃるというのに……、勝手に惚れてしまうのは、とんでもなく迷惑な話です。」
「そんな事あるかよ、諸葛亮さん。」
「……。…想いを伝えれば、彼は私と今まで以上に関わりはしなくなるかもしれない。それが恐くて、想いを伝える事出来ません…誰だってそうでしょう…、私もその一人…。でも、だからって離れたくも無い…。だからせめて、積極的に行って、周泰殿の傍に寄って、ずっとそうしてようと思っていましたが……、きっとそれが、逆に迷惑だったのでしょう……。」
「…………。」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ