□恋をしてしまいました…。(前編)
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綾統と甘寧が部屋から出て行ったその半刻後、扉の開く音がした。
しかし、熱故か、意識が朦朧としている今では、聞こえはしたが、気にはならない。
ただ(ああ、誰か来たんだな…。)と考え、諸葛亮は何となくその扉の方を見る。
だが、そこに居たのは……

「……諸葛亮殿……?」
「(…この声……、もしや…。)……周泰……殿……?」
周泰であった。彼は、小喬の言葉(病んでいる)が気になり、諸葛亮の居る部屋へ訪れたのだ。
案の定、諸葛亮は熱で顔を赤らめている。
「……周瑜殿やお前の弟子、その他、お前を愛している奴らが見ると、お前を抱いてしまいそうな感じの顔をしているな……。」
「(むっ)そんな、聞くと恥ずかしくなってしまうような事を言いに来たのですか…?」
「……いや……。」「?」
「…………心配……して……。」
「え…!?」
周泰の言葉に、諸葛亮は思わず上半身だけを起き上がらせ、周泰と目を合わせる。
「……………。」
「……………。」

しばらく沈黙が流れる。それに耐えきれなくなったのか、諸葛亮は周泰に聞く。
「…あの……心配…ですか…?」
「……それほど意外に思われているとはな……。」
「いや、違いますよ、この私を、心配してくれるなんて…と思いまして……。」
「……それは……。」
「…?」
「ふはははっははあははは、諸葛亮!!」
「「…!!」」
諸葛亮は忘れていた。あの男は、自分を観察(ストーカー)している事を。
「司馬仲達、登場!!孔明!熱を出したとな!!」
「し、司馬懿殿……。」
「世話の焼ける者だ。何も雨に打たれずとも……。」
(……雨に……?)
「お黙りください司馬懿殿、貴方に私の気持ちなど分かる筈がないのですよ、どうせ……(涙」
「…いつもの諸葛亮らしくないな……それほど自分に自信ないというのか!馬鹿め、お前は充分に美しいぞ!?(笑」
「その笑みは、どうせ私をからかっているのでしょう!?」
「違うぞ、私は本当に心配しているのだ。」
「…司馬懿殿も……ですか?」
「当然だ、さもなくば今日みたいにすぐには来れぬ。」
「………諸葛亮殿の観察(ストーカー)をしているくせにか………。」
「黙れ周泰!!貴様いつも諸葛亮と仲良く……!!」
「「……仲…良く……!?」」
司馬懿の言葉に、周泰と諸葛亮は思わず顔を朱に染めてしまった(熱で最初から顔の赤かった諸葛亮は尚の事)。
「!?な、何故二人同時に顔を染めるのだ!?」
「え……!?/////」
「……!//////」
「………あ。」
もしや、と司馬懿は二人が顔を染めた理由が分かったのか、その理由をはっきし言ってしまう。
「もしや貴様ら……、愛しているのか?」
「「…………。」」
司馬懿の言葉に、周泰と諸葛亮は、お互い顔を見合わせると、再び顔を赤らめてしまった。
「……さもなくば仲良くなんて言葉に反応するはずが無い。反応したということは……周泰、諸葛亮の事が好きで、諸葛亮も、周泰の事が好きなのか……?」
「「〜〜〜〜〜!!!!///////」」
まだ伝えるタイミングではないというのに、
まだ好きなんだという事、隠していたかったのに……。
自分の想いを司馬懿に知られ、さらにその事を堂々と発表してしまった彼に、周泰と諸葛亮は怒ってしまった。
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