□恋をしてしまいました…。(中編)
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「……………(ズゥゥゥゥーーン」
「どうしたんだ諸葛亮殿、訪問に来た張コウの肩に顔を伏せて。」
「…えっと…、なんか、スゴイ光景かの?(汗」
「……どうしました諸葛亮殿、普段美しい貴方が、それほど泣くことなんて……。」
「……張コウ殿…私はとんでもないことを口走ってしまいました……。」
「…?」
「私の連続的な失言のせいで……、周泰殿、怒ってしまいまして……(涙」
「……何が起こったのか分かりませんが、確かに失言してしまうと、人によっては怒りますからねぇ……、これはちょっと、諸葛亮殿が……。」
「司馬懿殿が突然来て、それでびっくりして…落ち着きを取り戻そうとしましたが、その前に彼が、私の想いを言い当ててしまって……それに驚いた私は、その時に周泰殿の事………。」
「……元々が、司馬懿殿でしたか……、申し訳ございません、私の国の軍師が……。」
と言って、張コウはよしよしと、諸葛亮の後頭部を優しく撫でた。
「どうしましょう、張コウ殿……、このままじゃ、周泰殿に、想いなど………。」
「いえ、今から謝れば、まだ間に合う……何てことできれば、そう苦労はしませんよね。」

「……丞相が人と喧嘩するとは……初めて聞いた…(汗」
「はぁ、孔明が周泰と喧嘩ねぇ……。」
「…………。」
劉備は諸葛亮が落ち込んでいる理由を聞いて、ものすごく落ち込んでいた。


「……あの時否定せず、そうだと言っとけば、周泰殿も怒らずに……いえ、もし肯定しても、きっと怒るでしょうねぇ………。」
自分の部屋に戻り、少し溜まった仕事に目もくれず、諸葛亮は昨晩の失言により、激しく悔やんでいた。

「…ほんとは、大量のお酒を運んでいて、重いという顔しているので、それで心配してたのに………。」

『重そうな顔して……正直情けないと思いましたよ。』

「…違う、正直……大変な方とか、いつもお疲れな方と……思ってたのに……。」

『勝手に忍び込んで……ほんと、迷惑でした。』

「……違う、ほんとは、心配してくれて……嬉しかったのに……。………何故私は、素直になれないのでしょうか……。」

素直になれない己を恨み、諸葛亮はそのまま寝台で眠りについた……。
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