物語

□プロローグ「脱出」
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「はあ…はあ…はあ…」
「何をしている、さっさと来い……!」
「貴方についていけば、出口が見つかるのですか?」
「静かにしろ、声がでかい…。」

研究所の中を走っている七人……。
ボロきれの、赤い液が染みている服を着ている……。

身長205cmはある男についていくように走る六人。

その人達は…。

「にしても……どういう事だよ……。」
一人の男の名は、甘寧。
「ほんと…、何故お前の義父であるあの男はその義理の息子のお前にも容赦をしないか……。」
一人の男の名は、馬超。
「我々が捕らえられる理由も分からん。我らは何かしたのか?」
一人の男の名は、曹仁。
「全てはこの研究所から出てからだ、いいから黙ってろ。」
一人の男の名は、呂布。
「素直じゃないのは、美しくない証拠ですよ、呂布さん?」
一人の男の名は、張コウ。
「でも、彼のおかげで私達はその科学者達の計画の犠牲者にならずに済んだ……。大丈夫ですか?周泰さん。」
一人の男の名は、諸葛亮。
「……ああ。」
そして、一人の男の名は、周泰…。

「あの豚は、自分の目的の為なら、誰に対しても容赦はしないからな。義理の息子として育った俺でさえ、あいつが今度、何を望んでいるか分からん…。」
「呂布…何もわかんねーのか!!」
「だから声でかいって…(汗」

「今そっちで声が聞こえなかったか!?」
「ああ、確かめに行ってきます。」

「ほら見ろ!!」「やべ!」

今七人は、追われている身である。
諸葛亮の言っていた通り、七人は科学者達のある計画の為、その犠牲者として選ばれていたのだが………。

数時間前...

どがーーーーん!!

「!?何の音だ!?」
「...私が知るわけ無かろう。」
「黙れ張角!!今の音が一体何なのか、確かめに行って来んか!!」
「何故私が…。」
「……………。」
「…ッ分かった…。」

張角と呼ばれたその男は、目の前の人物に睨まれ、ある理由により、承知せざるを得なかった。

張角が確かめに行ってその数分後、彼があの男の元に戻ってきた。

「…で、何の音だった?」

男……董卓は、睨むような目で、張角を見、問いかけた。張角はその目から逸らしながら、音の正体を伝えた。

「……破壊されていた…。」
「…あ?」
「お前の義理の息子、呂布の居た部屋が破壊されたと言っている。」
「……何だと!?一体誰が…!!」

その事実を聞き、驚く董卓を、張角は睨んだ。

「義父のお前が分からぬのか。呂布がどれほどの強さを持っているかを。」
「…!!」
「おそらくあれは…呂布本人が、あの扉を破壊したのだろう……。」
「…あの扉には、誰かが侵入してきた際、警報が鳴るようつけていたが……、扉を破壊する前に、その警報を先に壊したのだな…。」
「……………。」
「呂布は何処に居る。」
「そこまでは知らぬ。」
「…貴様、とことん使えぬ奴だな。」
「………それで結構じゃ…。」
「…おい、お前らぁ!!」

董卓が呼び叫ぶと、多くの科学者や研究員達が集まって来た。

「一大事だ、呂布が逃げた!すぐに見つけ、捕らえるんだ!!」
『はい!!』
「……董卓め…自分の義理の息子だと言うのに…なんとこんな惨い事を……。」





「…部屋には何も無い…ほんとに何も…。」
「…そうだな……。」

何も無い部屋の中、周泰と諸葛亮は閉じ込められていた。
閉じ込められ、どれほどの時が流れたか分からず、絶望に陥っている。

「ところで、ずっと聞いてませんでしたが、周泰さんは、いつから此処に?私が此処に来た時には、既に貴方の姿があったのですが…。」
「……12。」「え?」
「12歳だ…。その歳から此処にいる。」
「じ、12歳って、まだ少年ではありませんか…!!」
「…いいんだ、俺は此処に居て…。」
「…どうして?」
「どうせ外に居ても、俺を迎え入れてくれる人物など居ない……俺は幼い頃から、同い年の奴には苛められたり、大人に抱かれたり、散々酷い目に遭っていた…。」
「そんな!!」
「……どうせ人は……俺を必要としていない………。」
「…周泰……」

ドカーーーンッ!!
「「!?」」

突如、扉が破壊された。一体何の音かと、二人が見上げると……。

「…おい、お前ら、今から俺のいう事を聞け。」
「「……!?」」
「…逃げるぞ。」
「「……へ?」」

二人揃って、気の抜けた声を思わず出してしまった。
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