物語

□第一話「出会い」
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「……………。」
「孫権、どした?」
「…如何したもこうしたもない…何故…、」

ある日、孫権と呼ばれた男は、怒っていた。というのも……。

「なんで私だけ酒飲めてねーーんだよ!!!(怒」

単なる酒が飲めねー事であった。孫権は結構酒が大好きである。何故飲めないかと言うと。

「しょうがないだろう、お前が車の運転をしないといけないから。」

友人…曹丕の言うとおり、孫権は車の運転をしている。

飲酒運転は、言うまでも無く違法なのだ!!

「がぁぁぁん!!」
「ふん、お前も酒を飲みたいならば、この愛車に乗って会社に行かなければ良かったものを。」
「…確かにそうだけどさぁ…。ていうか、そう言うなら友の事を思えよ!!お前酒臭いぞ!!」
「ん、父上に勧められたからな……。」
「そうだったのか…(汗」
「……話変わるが、お前、会社はどうだ?」
「へ。」
「お前確か、『BL野郎殿』と呼ばれるほど、男好きで有名じゃないか。そういう意味だ。」
「な!?皆知ってんの!?」
「私の方を向くな、交通事故起こしそうで怖いわ。あと皆知っている。ま、お前のその性格上、誰にも嫌われていなさそうなのは確かだな。」
「うぅ〜〜……。」

そして暫く車を走らせると、再び曹丕が話しかけてきた。

「…しかし、先程までの嵐は何処へ行ったのだろうか。」
「あー確かに、あんなに激しいと、家に帰れないと思ったら、なんか雨とか止んだもんな。」
「雨の中走って家へ帰った奴ら、今頃濡れ損したと落ち込んでいるんではないか?」
「あっははは、有り得る!」

そして助手席に座っている曹丕は、車の窓を開け、手を少し窓から出した。

「…まだ雨降ってるな。霧雨だが。」
「マジか。」
「……ん??」「どした?」
「霧でよく見えないが、誰かが川の傍で横になっている……。」
「マジでか!?」

キュィィィィーーーーンッ!!!
「ぬぐぉあっ!!!」

通りすがろうとした車を、孫権はハンドルを一気に回して激しくUターンをさせた後、その川の流れている道へと続く門の近くまで走らせた。

「お…まえ、気を付けろって…!だから交通事故起こしたら如何する!」
「大丈夫!死んでない!」←親指立ててグッ☆
「そういう問題ではない(汗」

そして、その門の傍で車を止めると、孫権は曹丕を連れて車から降りた。

「で、どの辺で人が寝転がっているって?」
「あそこだ。ほら、やはり……。」
「ほんとだ。男だ。…………ん!?」
「…この服…………!?」

二人は横になっている人物の服を見て驚愕した。

……この人……、何でこんな赤黒いもんの染みた、白い服を着ているんだ……!?

「……どうだ曹丕。」
「……この服も、髪も、全身濡れている。」
「え…それって……。」

全身濡れている男が倒れている場所は、川の傍。
そして、先程まで激しい雨と風が起こってた………。

……察するに………。

「「……流れの激しい川に流された男……?」」



沈黙。



「……こいつ助けなきゃヤバいじゃん!!(慌」
「落ち着け、孫権。」
「落ち着いてられるか!!人が倒れてんだぞ!!もしかしたら、溺死……!?」
「落ち着けと言っている。縁起でもないこと言うな、まだ息している、気を失っているだけだ。」
「えっと、じゃあどうすれば……!!」
「車に乗せてお前の家に連れてけば良いじゃん。」
「あ、そっか☆」

そして二人は、気を失っている、白い服を着た男を運び、車の後ろの席で横たわらせ、自分達も車に乗り、孫権の家まで車を走らせた。
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