物語

□第二話「共同生活」
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あの者達と共に暮らし始め、少し経ったある日………。



「………ほう……孫権さんの弁当、珍しく手作りではないですか。」
「あ、ああ、太史慈…。」
「誰かに作ってもらっているんですか?」
「……ああ、一応。恋人ではないぞ、社長の知り合いが、色々あって私の家に暫く泊まる事になったんだと。だから、料理はその人が………。」

…と言っている孫権であったが、孫権が食べているこの手作り弁当を作ったのは、社長…孫堅の知り合いではなく、




あの時、匿うことにした周泰である。


『周泰、朝飯と晩飯だけじゃ物足りない!』
『…へ?』
『だから、昼飯もお前の手作りが欲しい!つまり、私は仕事で会社行かないといけないから、手作り弁当が欲しいんだ!!』
『……何で俺の………?』
『お前、曹丕と私の会話をこないだ聞いたろ?私の料理の下手さ、破壊的だって。あの時お前にやったお粥も、美味くは無かっただろ。』
『はい、不味くはありませんでしたが、美味しくもありませんでした………。あのお粥の場合、作り方は…………(説明が長いので省略)…という作り方の方が、美味く出来上がると聞きました…………。』
『……。わ、分かった。今度そうゆう風に作ってみる。そ、それより周泰、話を戻すが、あの、明日仕事だから、早速お前の作った弁当が欲しいんだが……。』
『だから、何故俺のが良いんですかと……。』
『だからお前、さっきのお粥の作り方と言い、母さんにビシバシ教えられたからって、顔に似合わず、料理が出来る男なんだろ?』
『………(←なんか似合わないと言われ、顔には出ていないが、傷ついていて落ち込んでいる。)』
『……あ、その…、最近は料理のできる男はモテるからさ、な?…ゴホンッ、と言うわけで、料理作れない私の代わりに、お前が弁当作ってくれたら、助かるんだけどなぁ……?』
『………………。』



(…結局、周泰が料理を作ってくれるようになったのも、私の我が儘から始まったもんなぁ。)

弁当のおかずを一口、パクリと口に入れながら、孫権は考えていた。

「…あ、周泰そういえば」
「ん?」
「あ、何でもない!」
「…?」

思わず周泰の名前を声に出してしまい、隣の席の太史時に聞かれそうになったが、なんとか誤魔化せた孫権は、ある事を思い出した。

(あいつ、料理できるけど、一番驚いたのは…、常識が無いことだ。一度、今流行りの話したらあいつ『……何ですかそれ……。』って聞いてきたからな。常識の無さに、凄くびっくりした(汗)
「…………。」
(こんなんだと、生活する為にも色々知ってもらわないといけないな。……あいつの事、秘密にしなければならないのは分かっているが……、外に出てもらい、色々見てもらい、ある程度の常識を知ってもらわないとな…。)
「……孫権さん…。」
「(ビクゥーッ!!)な、何すか太史慈!!」
「社長の知り合いの事がそれほど気になるのなら、さっさと仕事すれば良いじゃないですか。」
「え!?あ、えっと、そうでした!!(慌」
「………。」
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