物語
□第三話「孤独感」
1ページ/20ページ
「……え!?また!?」
「…?」
ある日、月英が誰かと電話している姿を見かけた馬超。
その電話の相手は……。
『すまない月英!!いつもいつも!!』
「…私は平気よ、ただ…小喬ちゃんは……。」
「……。」
『今そっちに、小喬いるだろう?代わってくれないか?』
「いいの?周瑜さんが直接言ったら、確実に怒るわよ。」
「…周瑜?」
「孟ちゃーん!」
後ろから小喬が、彼女が作ったあだ名で馬超に抱きついてきた。
馬超は驚くと、彼女の口を慌てて塞いだ。
「!!ば、ばか、月英さんが今電話中なんだ、電話の向こうに、もう一人誰かいるなんて知られたら…!!」
「あ、そか。…あ、ほんとだ。」
「!…じゃあ、小喬に代わるわね。………小喬ちゃん、電話よ。」
「え、アタシに?ダレダレ!?」
「周瑜、貴女の夫よ。」
「周瑜サマが?代わる代わるー!」
小喬の姿を見つけた月英は、彼女に電話の子機を渡すと、小喬は「はいはーい!」と話し始めた。
「周瑜サマ、どしたのー?」
『………。』
「…あれ?」
『………小喬。』
「…………。」
自分を呼ぶ、夫の声を聞いて、まさかと思った小喬の顔から、無邪気な笑顔がなくなった。
『…すまん!小喬!!』
「…………。」
『その、また仕事が入ってしまって……、も、勿論断ったんだ!一度断ったんだが……、向こうがどうしてもと………。』
「……そのどうしてもで、あんたは仕方ないとひきうけたんだぁ……。」
『……(汗』
「「……(汗」」
妙に怖い………。
この場にいる馬超と月英、そして、電話の向こうにいる周瑜はそう思ってしまった。
「…周瑜サマのブァカーーーー!!!!」
「!!?」
「…。」
『ひぃっ!!!(汗』
「いっつもいっつもお仕事お仕事!!!!周瑜さまはどうせアタシよりおしごとのほうを愛しているんでしょ!!(怒」
『い、いや、そういうわけでh「もういい!!だいっきらい!!そうやってそのまま、おしごとだけで食っちゃ寝すりゃあいいの!!(激怒」
そう言って、小喬は子機を乱暴に置いて、その場で地団駄を踏んだ。
「…小喬……(汗」
「ちょっと一人にさせて!!(怒」
それだけを言った小喬は、月英の部屋へ戻ってしまった。