□恋をしてしまいました…。(前編)
2ページ/11ページ



「大殿様、諸葛亮殿のお姿が…。」
「おお、また遊びに来てくれたのか、今日はなにするんだろうな、そうだ、今小喬に俺の宝物であるこの石の事をおしえてやろうかな。」
「あの、諸葛亮殿のことですが、なんかいつもの彼で無い感じで…。思わず警戒してしまいました。」
「え、亮タン、何があったのかな。」
「…?」

兵士の言葉に、疑問を抱く小喬と孫堅であった、その頃、
「……周泰殿が留守?」
「ああ、孫権殿に頼まれ、酒を買いに行ってしまった。」
「そうですか…。」
「この前の五丈原での戦いで、私たちは見事に風邪を引いてしまったからな。昨日皆同時に治ったのだから、今日はまだ酒を控えて欲しかったんだがなぁ……。」
「左慈殿のあの書簡のメッセージに乗ってしまった貴方がいけないのですよ周瑜殿。」
「とにかく、今は周泰はいない、というわけで、諸葛亮!」
「…。」
「今晩、私と共n「あ、後ろにお化け。」ぎぃぃぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
諸葛亮の、誰も信じない嘘によって、周瑜は泡を吹いて気絶してしまった。
「…ほんとに幽霊とか嫌いなんですから(呆」

「にしても、周泰殿が居なければ、誰が彼の喜びそうなの知っているんでしょうか、孫権殿達に聞いても、『幼平は私の物だ!』とか言って教えてくれなさそうですし。」
「なんだ、また遊びに来たのか諸葛亮さん。」
「あ、甘寧殿……。」
「…ん?その目は…なんだ、恋か?」
「(ぐっさぁ!!)な、なんで!?」
「…図星だな諸葛亮さん(汗」
「え」
「で、相手は誰なんだ?」
「そ、そんなのどうでもいいじゃないですか!…あ、それより、甘寧殿は贈り物で、一体どんな……。」
「ん?俺は手作りが一番好きだな。料理とか物とか関係なく、手作りであればいい!!こないだ綾統のやつ、料理割とできるからな。照れながら手作りのお菓子を作って俺にくれたんだ!綾統の顔が可愛かったし、手作りももらえて一石二鳥!」
「……手作り……。」
手作りという言葉を聞いて、諸葛亮は「あっ!」と声をあげる。
「?」
「そういえば、周泰殿は、手作りって好みでしょうか。」
「ん、そうだなぁ、確かに孫尚香殿から手作り物をもらったとこ見かけたけど、全く嫌な顔はしてなかったぜ。」
「…………。」

「虎車カモーーーン!!」
「だからってそんな危険な物使ってまで手作りの魚料理を作ろーとすなーー!!(慌」
諸葛亮が虎の戦車の炎で魚を焼こうとしているので、諸葛亮の腕を引っ張って必死に止めに入る甘寧。
「そうでしょうか。」
「当たり前だよ!おま、アンタの料理の仕方は大胆すぎるんだよ!!ていうか戦に使うやつを使って料理するなんて発想、あんたしか思いついてねーし、使わねーよ!!」
ごおおおお!!
「…………ケホッ…?」
いきなり虎の戦車から炎が出たので、諸葛亮はかわして代わりに持っている魚を炎の中に包み込ませて焼いたが、来ると思っていなかったか、甘寧はその場で炎に焼かれ、全身真っ黒コゲになってしまった。
「ではやはり、物の方がいいでしょうか。私あんまり料理は得意でないですから……。」
「おう、そのほうがいい、でないとお前が惚れてるっつー男も、流石に怒るぜ。」
「食べなさい。」と言わんばかりに差し出された、虎の戦車の炎で焼かれた魚を、甘寧は奪い取るように手に取り、それを一口食べる。「…意外にうめぇ……。」と呟くが、そういえばという顔になって諸葛亮に気になった事を聞く。
「で、結局諸葛亮さんは誰に惚れてんだよ。」
「え。」
「………。」
「……五丈原で下らぬ戦いをあなた方がしていた時、私の事を必死に守り続けてくれたあの男は、本当に優しいですからね…周泰殿……/////」
「………。」
周泰の事思い出し、諸葛亮は顔を赤らめながらこの場から去った。
「……もしうちの殿達に知られたら、色々大変だぞ……。」
一人残された甘寧は、もらった魚を食べながらそう呟いた。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ