物語

□プロローグ「脱出」
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他にも、捕らわれていた甘寧達や、犠牲になってしまう直前だった張コウを助け、
現在に至る。

「お前、初めお前の存在を知った時は、感じ悪そうな男と思っていたが、俺達をこうして逃がしてくれる…、口は悪いが、お前は本当は良い奴なんだな。」
「……ふん。」

微笑みかけてきた馬超の言葉に照れたのか、呂布は赤くなった顔を逸らした。

「……それよりどうすんだ?あんなに科学者が居ると、行くに行けねえ……。」
「お前が大声出すからだ。」
「うっ(汗」

周泰に突っ込まれた甘寧。…すると背後から、誰かに声を掛けられた。

「…何をしている。」
『……!?』
「……司馬懿…!?」

振り向くと、司馬懿が立っていた。
彼も科学者の一人である。

「………。」

何してくるか分からないが、何も出来ない。皆は司馬懿をせめてもの睨んだ。

しかし……。

「こっち来い。」
「…?」
「…いいから。」
『………。』

訝りつつ、司馬懿に言われるがまま、皆は彼のところへ近づいた。

すると突然、

「おい司馬懿。」
(!?)
「はい、先輩!」

皆を此処に残したまま、司馬懿は先輩と呼んだ科学者の元へ行った。

「此処にボロボロの囚人服を着た奴、見なかったか?七人だが、董卓先生の願いを叶える為の材料だ。」
(……!!)
「いえ、此処には来てませんでしたよ?」
(…!?)
「…ほんとか?」
「もし見かけたならば、今頃あなた方に伝えていたでしょう。貴方も私がどのような男か分かっている筈です。」
「…確かにな…。まあいい、分かった。…では何処へ…。」

独り言を呟きながら、科学者はその場から離れていった。
そして司馬懿は、七人の元へ戻ってきた。

「…お前…。」
「そのまままっすぐ行け。」
「え?」
「丁度此処は裏口へ続く道になっている。早く行け、さもなくば他の者達が再び来る……。」
「…我々を逃がすのか…!?」
「いつか再び会えたら、その時にこの訳を話そう。中に居る者達は、私が足止めしておく。」
「…………。」
「だが油断するな、外に出れば、おそらく残りの科学者、研究員達が待ち伏せているだろう…。気を付けろ……。」
「…司馬懿…有り難うございます…!」

そして七人は、言われたとおり、非常口へと逃げて行った。
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