物語

□第一話「出会い」
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『…何で死ななかったの、ほんとお前、居るだけで目障りなんだけど。』
『どっか消えてくんない?おまえはぼくらとなにかちがうからさ。』

……違う…?

『ほんとなにかちがう!そんな奴と一緒になりたくないから、お前どっかとおくへ行けよ!』

何が違うか意味分からない……なんのこと…?

『ボクちゃん、随分可愛い顔してんなぁ!』

……え?ナンダヨ……、ナニガオコッタ…?

『一人だろ?だったらおにいちゃんたちの遊び相手になってくんないか?暇なんだよね。』

……ドコヘツレテイコウトイテルノ…?ハナシテ…………。

『こいつが董卓先生の言っていた小僧だな?』

……!?

『やめろ、息子を連れて行くな!!』

トウサン……。

『駄目、あああ、幼平!!いやぁ!!連れて行かないで!!!その子は……!!』

カアサン……。

『そうと分かれば、連れてくぞ。』
『はい、先輩。』

…イヤダ、ハナシテ……。

『では、さようなら、この子供のお父さんとお母さん?』
『『周泰!!!!!』』

ヤダ、イキタクナイ、ハナセ、イヤダ…!

『大人しくしてろ、小僧、』
『檻に入れちゃいましょう!!』
『そうだな。』

ガシャンッ!

イヤダ、イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ
タスケテ、ダレカ、

『先ずは一人目、だな!!』

タスケテ、イキタクナイ、コワイ、イヤダ、
イヤダーーーーーーー!!!!!!





「嫌だぁぁぁぁぁーーー!!!」
「!?」

突然嫌だと叫びながらガバリと起き上がった男に、曹丕は驚く。

「…………!?」
「……何だ、お前、嫌な夢でも見て、そんなに叫んだのか。」
「………此処は…!?」
「何の騒ぎだ?」

壁の横からひょこっと孫権が覗き込んできた。その姿に、男は肩をびくりとはねるくらい驚愕した。

「?私は何もしてないが、強いて言えば、今お粥を作っているぞ?」
「おい、また何か破壊してしまうようなもの入れていないだろうな(汗」
「まさか、今度のは上手く出来たと自信があるぞ!」
「食べてもらう人は、この男だぞ、その粥のせいで死んだらどうする(怒」
「大丈夫だって!」
「…………。」
「食えるか?」

そう聞きながら孫権は、スプーンでお粥を少し救い上げ、それに息をかけ、熱をある程度冷ますと、男の口までスプーンを運んだ。

「…!?」
「食わないのか?」
「あ〜んって食べさせるあの行動か、止めとけそいつ恥ずかしがる。」
「アレ?」
「……………。」

すると男は、孫権の持っているスプーンを取った。その際に、男の手が、孫権の手に触れた。

「……――――〜〜〜〜〜!!!!(ドキィィーーーン!!」
「…ドキーンッて……。」
「………………(パクリッ」

何かときめいている孫権に気付かず、男はスプーンをくわえ、スプーンの中の粥を口に入れた。

「…あ、そのぉ〜、う、上手いか?」
「…………普通……。」
「…………。」

漸く口を開いたかと思えば、味の感想は「普通」。

「(…ま、酷すぎるって言われるよりはマシか(汗)そ、それは良かった。」
「確かに普通だ、別に不味くは無いが、美味くも無い。」
「あ、こら子桓!勝手に食うな!!(怒」
「今度のは調味料が……。」
「誰もお前の味の感想を望んでない!!(怒」
「……………。」
「「…!!」」
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