眼鏡大作戦

□西浦〜三橋の場合〜
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 彼らが最初に向かったのは、埼玉県にある、とある公立高校。

「隊長ッ、これはなんと読むのでありますか?」

「うむ。これはな、にしうら、と読むのだ」

「おおお、さすが隊長ッ。博識でありますッ」

「よしッ、さっそく作戦を開始するッ」

 コミカルな音を立てながらグラウンドへ向かうタコたち。

「隊長ッ、あれは一体何をやっているのでありますか?」

「うーむ…よくわからんが、地球では角材の上に片足だけで乗ってグラグラする遊びが流行っているようだ」

「おおお、さすが隊長ッ。すごい推理でありますッ」

「よしッ、誰か、さっそくあの角材男子を最初の犠牲者にするのだッ」

「アイアイサーッ」

 ちょこちょこちょこ。

 突然足元に現れたタコに驚いてバランスを崩し、尻餅をつく角材男子。

「…な…何…この…タコ…」

「そこのお前ッ、大人しくしろッ」

「お…オレ…? え、えと…タコ…タコ…しゃべってる…?」

 混乱して尻餅をついたまま地面のタコをきょろきょろ見る角材男子に、タコ軍団の一匹がひょいっと飛んで眼鏡をかける。

「おおおおおッ! 似合うッ似合うぞッ」

「気の弱そうな男子の眼鏡もなかなかに萌えるでありますッ」

「え…眼鏡? なん…で…? オレ…目、悪く…ない、よ?」

「ええいッ貴様ッ、眼鏡の良さがわからんとは何事だッ! 恥を知れ恥をッ」

 なぜ怒られたのかわからないまま、沢山のタコに責められて泣き出す角材男子。

「おお、泣いたッ!」

「泣き出す眼鏡男子ッ! いいッ」

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