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□夢で会えたら
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<レイ、俺に会いたい?>
優しい声が耳をくすぐる。
そんな声でそんなこと聞かないでよ。
『…会い、たい、』
ほんとのこと、言っちゃったじゃない。
受話器からは彼のクスクス笑う声が聞こえる。
何がおもしろいの?
<よかったぁー。
俺一人だけレイに会いたいのかと思ってた>
『そんなことない、』
<あのね、レイ。
ほんとのこと言ってね?
俺がそばにいないからっていきなり嘘つかないでよ。
俺の隣なら嘘なんてつかないのに>
『だって…なんか、悪いんだもん』
<悪くないって。
何回言ったら分かってくれる?(笑)>
彼の声はもう元に戻ってる。
なんだか楽しそう。
『ごめん、これからは気をつける』
<…なるべく、早く終わらして帰るから>
『…、』
彼はハアとため息をついた。
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