キセキの軌跡と奇跡

□第8Q
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トクンと鼓動が鳴る




「………そんな顔、すんじゃねーよ…」




『っ…………』





分かっていた
自分が今酷い顔をしていることは。



笑えてないってことは分かっていた。



けど……




『な、んで……大我が、そんな顔するのよ……』





私を見る大我の目は


私と同じくらい辛そうで


けど何故そんな顔をしているのか


わからない






「オレは……オマエのそんな顔見たかねーんだよ……!」




『!!』




突然放たれた大きな声
胸に響くその言葉





ーー動きだした歯車がーー





「なあ……誰を見てる?」



オレを見ながら
その目に、誰を映してる?




『あ……大我……っ』





ーー時間を変えていくーー





「っ……松村っ………」






徐々に近づいてくる大我の顔

まだ歪んでいる




私がそんな顔にさせてしまった?







脈打つ鼓動が早くなる

チクリチクリと胸が痛むが

気づかないゆか




気づけば、振り返りゆかも火神の大きな背中へと腕を回していた







高鳴る鼓動




そして触れる唇





『……んっ……大我っ…』





甘い吐息





「っ………はぁっ……」






そして私達はキスをした
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