FAN FICTION

□『RETURN』
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『さようなら』

ためらいの後でようやく口を開いた彼女はこの言葉だけを伝えたかったのだろうと確信をもって思う。

聞きたくなかったから口をふさいだ。

強引なことをした自覚はある。だが、終わりにしたくなかった。

だからいつものように彼女を追いかけた。


だがロリから渡された眼鏡を見てルーカスはすべてを察した。

彼は彼女だったのか、と


あれから数週間−

マスメディアは連日岬の爆発のニュースを流している。

ルーカスは眼鏡を指でもてあそぶのが癖になっていた


今日もルーカス・アマトはアパートの自室で一人、眼鏡を片手に物思いに耽っていた。

ふと、気がつくと窓の外には見慣れた女性の影。

満身創痍の彼女の姿で悲しげで……



「ロリからの預かり物を返してくれる? あれは……私の物なの」



END   屋根裏より再録・にげる



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