平凡でいたい今日この頃
□ACT.2
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「ごめんね日野丞君。僕用事があってまだ帰れないんだよ。」
ぞろぞろとクラスメートが帰る中俺は使い終った筆箱などを鞄にしまいながら馬鹿に伝えた。
「それ昨日もじゃんかよっ!あと俺のことは悠紀って呼べって言ってるじゃんかっ!!友達の約束を破るなんって最低なんだぞ?」
馬鹿は俺の机をバンバンと叩きながら吠えていた。
どんだけ我が儘なんだよ。誰が馬鹿の名前なんか呼ぶか。そんなもんスルーだっ。
不良君がいるんだから一緒に帰ればいいだろうよ。
しかもいつ帰る約束したんだよ。
「僕委員長だから仕事が沢山なんだよ。だから悪いから先に帰ってね。」
既に仕事を終えているが、終っていない振りをするために日誌を開いた。
そしてあえて馬鹿を見ている糞担任に向けて委員長を強調して言ってやった。たまには平凡でもこのくらい言っていいだろう。
じゃないと俺のストレスが爆発しそうだ。
案の定糞担任の眼光が鋭くなっているがこれもスルーだ。
「尚志駄目じゃんか!冬真は仕事やるの遅いんだから委員長にしたらいけないんだぞ?」
オイ………こいつ速攻で殺していいか?
誰が無能だと?テメェーの小さなおつむを潰して新しいおつむを取り付けてやろうか。
「フッ…悪かったな白薇。」
糞担任鼻で笑いやがった。まぢで退職させてやるからな…。
「俺優しいから冬真が仕事終わるまで待っててやるよっ!」
「遅くなるから大丈夫だよ。」
いや有難迷惑だし。暇人はとっとと帰れよな。早くどっか行ってくれないと余計な奴も来そうだしな…。
「悠紀遅いぞ!早く生徒会室に行くぞ。」
「悠紀遅ーい!」
「待ちくたびれちゃったよー!」
やっぱり来やがったよ。無能生徒会。馬鹿が来てから仕事をしなくなった俺様会長の椋龍二、双子の会計の兄の花里愁と弟の准。恋は盲目と言うがホント馬鹿馬鹿しいと思う。
この三馬鹿は馬鹿に構ってばっかりで職務放棄し、副会長と書記の二人で三人分の仕事もしてギリギリで生徒会が成り立っているとある筋から聞いた。
「あっ!龍二に愁と准じゃんかっ!今親友を待ってて遅くなったから俺のせいじゃないぞ?」
それって俺のせいって言いたいのか?
いつの間にか親友に昇格してるし。
「親友?…っテメェー何企んでやがる!悠紀に手を出したら退学にしてやるからなっ!!」
馬鹿の言葉でようやく俺の存在に気付きこちらに視線を向けた。
会長に覚えてもらえるなんって俺も有名になったな。
「龍二冬真のこと知ってるのか?なあ!どんな関係なんだっ!!?」
自分だけ知らないのが気に入らないのか会長に向かって行ってまくし立てた。
「知ってるも」
「何も…」
「「平凡は会長の親衛隊隊長だよ。」」
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