平凡でいたい今日この頃

□ACT.3
2ページ/20ページ




「…種目を決めたいと思います。」
溜息を零しながら黒板に種目を書いていき、みなの方を向き直った。


「自分がやりたい種目に挙手してくださいね。分かっていますと思いますが部活をやっている人は違う種目でお願いします。まずはサッカーをやりたい方は…」

クラス全体を見ていくとちらほらと挙手している奴らがいた。


「サッカーのメンバーは規定の人数になったので締め切りたいと「あっ!俺もやりたい!!」…す。」


「じゃあ俺も悠紀と一緒のやつやるわ。」


「俺も悠紀と一緒でよろしくな!」


オイお前ら今さっき締め切りって言ったのに挙手してるんだよ。しかも信者共も当たり前のように挙手してるし。



あーほらここぞとばかりに制裁を閃いたのか親衛隊の奴らも挙手しだしてクラスの殆どが手が上がって、どうするんだよこの状況。

ぶっちゃけ俺このまま放置していいか?
いいよな。

「…定員がオーバーしているので後ろで集まってもらって公平に決めたいとおもうので、話し合いかジャンケンしてもらっていいですか?他の人は別の種目を決めたいと思います。」


優等生のお面のせいでバックレることも出来ないから仕方なくクラスメイトに指示をだした。


ぞろぞろと挙手した奴らが後ろに移動する中で担任の隣に座っている馬鹿の周りに信者が集まり高みの見物をしていた。


なんで俺らは関係ありません的な雰囲気だしているんだよ。お前らも後ろ行けよな。



「あの…悠紀後ろでみんなと決めてもらっていいかな?」

今日何度目か分からない溜息を零して別に怖くもない信者共の視線を受け流しながら提案した。



「え、なんで?尚志先生が俺達はいいって言ったからいいんだよな?」


キョトンと質問に返す馬鹿を殺(や)っていい?
さぞ当たり前だろって顔をめちゃくちゃにしていいか?


「当たり前だろ。悠紀は特別だから。二人は俺の慈悲のお陰でだから有り難く思えよ。」



「誰が礼するか。糞担任。」

「とにかく悠紀と一緒になれたし感謝するわ。」



……………もういいや。
俺も疲れたから次の種目決めちゃお。



調度後ろで決めていた奴らも纏まったようだし。


「残りの人達優先で残りの種目を決めたいと思います。」

残りの奴らは少なかったのでスムーズに決めることができ、サッカーで溢れた奴らも上手いようにバラけられた。


さて俺は調度余ってる卓球にしとくか。
個人競技だし適当に1回戦で負けても誰にも攻められることもないしな。
すぐサボれて一石二鳥だ。





.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ