短編


□かなわない
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「よしっと…」








朝食の用意を終え、まだ寝室で寝ているツっ君をお越しに行く






この3年間、いろいろなことがあった






ツっ君はボンゴレを継いで、少しでも悪いマフィアをなくそうとがんばっている





そのため、高校には行かなかった






中3から、私とツっ君は付き合い始めた






そして卒業するころ、彼に別れを切り出された






理由は、もしこのまま付き合っていたら、敵マフィアに私が狙われるから






でも私は別れようとしなかった






「ツっ君が私を守ってくれる」



「私はツっ君を信じてる」






そう言った






ツっ君は私の言葉を聞いて、折れてくれた






でも、彼はイタリアへ行かなければいけなかった





私も一緒に行くといったが許してくれなかった





「…2年だけ、2年だけ待っていてほしい」






と、ツっ君に言われた





2年たったら、必ず迎えに来ると約束して彼はイタリアへ行った






2年後、約束通り迎えに来てくれた彼





2年間、彼は修行していたみたい…





2年前より背も伸びて体もがっちりして、かっこよくなっていた






ボンゴレファミリーの9代目とツっ君のお父さんに





「2年間修行をしたら、日本へ帰って京子が高校を卒業したら、またイタリアへ戻ってくるから、それまで待っていてほしい」






と言ってきたらしい






それから1年…






私はツっ君と一緒にボンゴレ所有(ツっ君が建てた)の家に住んでいます






お父さんとお母さんにも認められ、奈々さんや家光さんにも認めてもらった






とても幸せ






ツっ君と一緒にいられて、とても幸せ








「ツっ君…ツっ君、起きて…」








んん…と声を漏らす彼








「ツっ君」








彼に手を伸ばすと、いきなりぐいっ、と引っ張られ、彼の上に倒れる







「わっ…!」




「おはよう、京子」




「お、おはよう///ツっ君、起きてたの?」








彼との距離が近くてドキドキする








「うん。起こしてくれる京子が可愛かったから、寝た振りしてた」




「もう!!ツっ君ったら!」




「ごめんごめん」




「あ、お仕事大丈夫…?」




「ん?今日は休み」



「え!?本当!?」



「本当。どっか行きたいところある?」



「え…で、でも…ツっ君、疲れてるのに…」




「俺なら平気。それに、京子との時間が俺にとっての癒しの時間だから」




「ツっ君…」



「だから、京子はどこに行きたい?」



「ツっ君と一緒にお散歩したいな」



「散歩?」



「うん!ダメ?」



「いいけど…それだけでいいの?」



「うん!!」



「そっか。じゃあ、ご飯食べたら散歩しようか」



「うん!!」







朝食を食べ終え、散歩の支度をする







「じゃあ、行こうか京子」




「うんっ」







ツっ君の腕に自分の腕を絡め、彼に寄り添う






今日はポカポカしていて、お散歩日和だ





他愛もない話をしながら、まちを歩く







「あれ?京子じゃない??」



「あ、ほんとだ!」



「京子ー!!」







前方に友達を発見し、手を振る







「京子、もしかして…彼氏?」



「うん。そうだよ」



「かっこいいし、優しそう!!」



「優しいよ?ねっ、ツっ君」




「俺に言われても分かんないよ」



「でも、ちょっと意地悪してくるよね?」



「そう?」



「そうだよ!今日の朝だって…」



「つい、だよ。つい」



「あの…さ、京子…」



「何?」



「今日の朝…って?」



「あぁ!今日の朝ね、ツっ君起こしに行ったら、ツっ君寝たふりしてたの!!」



「いや…そうじゃなくてね…」



「へ?」



「もしかして…一緒に住んでるの…?」



「うん」



「「「えぇーっ!?」」」



「京子、言ってなかったの?」



「言ったような気がしてたんだけど…」



「聞いてないよ!!」



「忘れてたんだね」



「そうみたい」



「これからは、ちゃんと言ってよねー」



「うん」



「じゃあ、デート楽しんでねー」



「うん!じゃあねー!」



「「「じゃあねー!!!」」」



「…京子」



「何?ツっく…」




《チュッ》







不意打ちのキスをされた







「ご馳走様」







悪戯っぽい笑みを浮かべるツっ君







「ツ、ツっ君!///ここ、街中!///」



「京子が可愛いから、キスしたくなっちゃった」



「っ///」







恥ずかしくなって、ツっ君の胸に顔をうずめる







「…恥ずかしいよ///」




「そういう反応が可愛いんだって」



「もう///」







本当に彼にはかなわない



















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