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□好敵手
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コ「中継地点にんな高ぇ場所選んでんじゃねぇよコソ泥が...っ」






キッドが降り立つと同時にビルの屋上に飛び込んできた小さな探偵の第一声はそれだった。



キ「仕方ねぇだろ?こっちはハンググライダーで飛んでんだから...って、大丈夫か?名探偵」



ふと見れば、コナンはぜぇぜぇと息を荒げ、ずいぶんと汗だくである。




コ「...っ、バーローほっとけ」


小さな身体では少しのことでも負担が大きいのだろう。




ドアの横の壁にもたれたまま、コナンはキッドを見上げている。





そういえばこのビルには使えるエレベーターがなかったな、と考えていたキッドだったが、コナンの顔色が優れないことに気付いた。





キ「体調でも悪ぃのか?」


コ「別に」


キ「そうは見えねぇけど」




キッドが一歩近付けば、コナンは時計型麻酔銃を構える。


今までそれにキッドが当たったことはない。


というより、コナンの場合、それよりも足技の方が多い。




今だってボール射出ベルトはつけてあるし、靴もキック力増強シューズを履いている。



今日は何でそちらを使わないんだと考えて、不意に答えが見えた気がした。





キ「.....足、か?」




彼が飛び込んできたときの第一声。








---中継地点にんな高ぇ場所選んでんじゃねぇよ---










今までの何度かの勝負で、そんなことを咎められた覚えはない。



そして、あの顔色と、尋常でない汗の量。



それに加えて、体重を壁に預けて離れようとしない姿勢。




得意の足技が出て来ない理由を導き出すのに、時間はかからなかった。

キ「足、痛めてんのか」



疑問ではなく確信を持ったそれに、コナンは顔を顰めた。

その反応に、キッドは正解を悟る。

キ「オイオイ、あんま無茶すんなよ。使いもんにならなくなるぜ」
コ「余計なお世話だ」

ふん、と嗤うコナンは外見の幼さに釣り合わない表情をしていて、可愛らしさの欠片もない。

キ「相変わらず可愛くねぇな、お前」
コ「生憎ヤローに可愛いと言われて喜ぶ趣味はしてねぇんでな」

は、と熱い吐息でコナンは不敵に笑う。

コナンは痛みに顔を歪めることすらせず、いつものように目の前の怪盗を捕まえる気でいるのが見て取れて、キッドは嘆息した。














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