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□好敵手
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キ「んじゃ聞くけどよ、どうやって俺を捕まえる気だ?それ外したらお終いだろ」

からかうではなく、キッドは完全に呆れている。

自覚のあるコナンは、むすっとした。

例えものすごく不利であっても、素直に負けを認めるのは嫌だった。

コナンの負けず嫌いで意地っ張りな部分が顔を出していた。

今朝引ったくりの犯人をスケボーで追跡中に車と接触し、転倒して痛めた足でこうしてビルの屋上まで上ってきたのもその性格からである。

---空中でなら軸足はいらないやろ---

以前服部に言われたことを思い出す。

だか今回はあの時と違って天井がないから、他の方法を考えなければならない。

キ「まーた何か無茶なことしようとしてんな、名探偵」

やめとけって、と手を振る仕種はまるで犬猫を追い払うようだ。

キ「ま、今回は諦めろ。宝石も目当てのもんじゃなかったから返すし」

ほら、と綺麗に弧を描いて投げられた宝石はコナンの腕に収まる。

けれどキッドが立ち去る気配はない。

コナンは器用に片眉を上げた。

キッドが飛び立つなり何なりして去らないのは、足を痛めているコナン相手ならいつでも逃れられるという自信からだろうか。

それとも、例によっておちょくられているのだろうか。

そこまで考えて、コナンは半眼になる。

若干、イラッとした感は否めない。

キ「おーい名探偵、何か変なこと考えてねぇか?目が据わってんぞ」
コ「悪ぃな、元からだ」

けっと外方を向くコナンに、キッドがやれやれといった様子で近付く。

キ「対決は次までお預けだな。今度はお前の体調が万全のときにしよーぜ」
コ「だから余計な世話だっつの。...次は容赦しねぇ」

コナンは近付いてくるキッドをじとりと睨む。

キ「よく言うぜ。いつも容赦してねぇじゃねぇか。おかげでこっちはしょっちゅう痛い目見てるぜ?」
コ「それでも逃げ遂せるって自慢か?」
キ「捻くれてんなー、お前」

呆れたように息を吐いたキッドに、コナンは首根っこを掴まれた。

コ「お、おい!?何してんだてめぇ」
キ「下まで運んでやるんだよ。その足じゃ階段キツいだろ」

それはその通りなのだが、何せこの扱いに納得いかない。

抗議も虚しく、ぶらぶらと空中で手足を揺らしながら一階までコナンは運ばれた。















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