短編夢:長編番外

□クリスマス
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 * * *

「しーんちゃん。ほんとにかたっぽオレがしてて良いのかよ?」
「お前が手が寒いと言うからだろう……」

 呆れたように言う真ちゃんがかわいい。手袋を片方貸してくれるなんて、真ちゃんはツンデレなんだから。左手に黒い手袋を片方はめた真ちゃんは、右手が寒いのか、そっちをコートのポケットに突っ込んでいる。オレは右手に手袋をはめ、真ちゃんの右手をポケットから出して、その白い手を握り締めた。

「ッ高尾」
「こっちのがあったけぇって」

 あれ、真ちゃん顔赤いじゃん。これ以上あっためなくても良かったかな、なんて。クリスマスはリア充だからこそ、何倍も楽しめるのだよ、森山さん♪
 なんてな。

 * * *

「ハックシュ!!」

 * * *

「森山の野郎なんてものを……」

 とかなんとか言ってはいるが、突っ返すことはさすがにできなかったらしい。笠松センパイは森山センパイにもらったYES、NO枕を抱えながら歩いていた。赤い顔がかわいらしいけれど、それを言うと、笠松センパイは眉間の皺を更に深くしてしまうんだろう。だけどそれもかわいいんだから、オレはとっくの昔に末期を迎えているんだろうなぁ。

「……笠松センパイ」
「あ…?」
「今日、うち来ません?」

 クリスマスまでなんて待てないっスよ。







クリスマスはリア充のために
(ックシュ……なんだよ風邪かぁ?)

→あとがき
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