They made a promise by linking

□三角関係
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〜旭side〜

 晩飯はパスタにした。

 夕方になんの連絡も無しに、突然押し寄せてきた柳也と佑輔。

 そして、酒買ってきたから晩飯を作れ、だそうで。

 いきなり押し掛けられたから、材料もないっつうのに、無茶ぶりしやがる。

 仕方なしにたまたまあったパスタを茹でて、ミートソースを和えたわけだ。

 そうして、それらを食べ終わって、各々が酒を手に取って飲みはじめてからしばらくたったとき、それは起きた。

「あーきーらー」

 うざったいくらいに俺の名前を伸ばしながら呼んでくる柳也。

「アキちゃん」

 相変わらずスキンシップの多い佑輔。

 家にソファーなんてものはないし、1Kの狭い部屋で男の一人暮らし。

 しかし、いくら狭いからといって、佑輔の足の間に座ってるこの体勢はおかしいと思う。

 佑輔の胸に俺の背中がくっついている。

「アキちゃん言うな、佑輔」

 まぁ、こんな格好にもすでに慣れてしまっていた。

 でも、今日は目の前に怖いのが一人いるんだよな。

 テーブルを挟んだ向こう側。

 何故か不気味なくらいににこやかな男。

「……あーきら?」

「やめろ、笑いながら、俺のビールにタバスコ入れようとすんなよ」

 慌ててグラスをテーブルの上から取り上げようとするが、柳也に掴まれていて出来なかった。

 仕方なしにグラスを手で蓋した。

 テーブルの方に体を寄せるため、自然と背中が佑輔から離れる。

「美味しいよ?」

 手の甲にタバスコの縁が当たる。

「じゃあお前がやってみろよ」

「やだ」

 食いぎみにきっぱりと断られた。

 じゃあ、俺にやろうとするなよ。

「あーきちゃん」

 佑輔の腕が腹に巻かれると共に、彼の体温を再び背中に感じる。

 右肩に頭を乗っけて、甘えた風な佑輔。

 可愛いとは思えない。こいつの本性の方を知っているからな。

「重たいんだけど」

「ムラムラしてきちゃった」

「死んどけ、酔っ払い」

「えっち、しよ?」

「するかバカ」

「……へぇ、そんなこと言っていいと思ってんの?」

 佑輔の妙なスイッチが入りました。

 というかそんなスイッチが入る以前に、俺の腰に佑輔の勃ったイチモツが当たってる。

 俺はそれからどうにかして逃げようと身をよじるが、コイツ線が細いくせに無駄に力強いんだよな。

 

 ていうか、このまま変な流れにいきそうな気が……。

 
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