They made a promise by linking

□プロローグ
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 渥見 旭(あつみ あきら)と東雲 柳也(しののめ りゅうや)が初めてあったのは、高校1年の時だった。

 旭と柳也は偶然にも同じ日に同じ部活見学に行き、顔を合わせた。

 弓道場では先輩たちが、袴を着て、弓を持っている。

 学校とはまた少し違う空間。

 新入生を一人でも多く入れようと、過剰なほどの接待を受けながら、二人は顔を見合せ、笑う。

「渥見 旭。E組だよ。よろしく」

「東雲 柳也。C組。こちらこそ」

 パイプ椅子に座り、弓を引く先輩を横目に、二人は自己紹介した。

「しののめ、て珍しいな。どう書くんだ?」

「東(ひがし)に雲(くも)だよ」

 柳也は空に書きながら説明する。

「へぇ、いいな」

「なにが?」

 笑う旭に、柳也は首を傾げる。

「漫画みたいなところ」

 そう言って旭はまた笑う。

 柳也はこの時点ですでに旭に惹かれていた。

 一目惚れ、というのが一番近いかもしれない。

 そんな柳也が性悪ドSであることは、旭はもちろん知らなかったし、もしかすると本人も知らないところであったかもしれない。

 しかし、柳也は時が経つにつれ、その自分の性格と旭への恋心を自覚していくのだった。

 この後、旭と柳也は共に弓道部に入り、三年間部活動に励むことになる。

 
 

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