ぶっく2
□*許せなくて
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とある秋島。
麦わらの一味は1週間、ログをためるために滞在することにした。
今回の留守番は、ブルックとフランキー。
その他は、各々の好きなことをしに島へ降りた。
ロビンは歴史を探しに、ひとりで歩きまわっていた。
カサカサと、歩くたびに鳴る落ち葉の音が心地よい。
時々動物が顔をだし、ロビンのもとへ寄ってくる。
ロビンは立ち止まって相手をしてやる。
ロビンのもとには自然と動物が集まってくる。
彼女の優しさを、動物も感じ取れるのだろう。
島をしばらく散策していると、少し先の方が賑やかになってきた。
どうしたのかと思って行ってみると、そこには見るからに悪そうな海兵が、自分にぶつかったと言って小さな子供に手をあげていた。
海兵と言うこともあり、島の住人は何も言えず陰から心配そうに見ている。
近くにいたのか、ナミとゾロとサンジが駆けつけてきた。
何があったの、とロビンに聞き全てを話したところ、やっぱそういうバカがいるのねと、ナミが言った。
馬鹿も何も、人としてどうなのかとロビンは思った。
そう思っているところに、ロビンにはどうしても許されない言葉を海兵が吐いた。
「クソガキが偉そうに道の真ん中を歩いてんじゃねぇぞ。道はな、おれたち海兵様に譲るんだ。
おれたちがいなきゃ、お前らは生きていねぇんだ。もっとおれたちを敬え。
おい、お前ら!このガキがおれにぶつかってきたんだ!一人ずつ慰謝料として10万ベリー払え!」
ロビンは、弱い一般人にそうやって脅して金をとろうとするのが気にくわなかった。
そして、自分が一番だと思い、自分を中心に世界が回っているとでも思っているような、そんな馬鹿らしい発言が許せなかった。
バチン。
大きな音が響いた。
全員がその音の方を振り返る。
見ると、さっきまで威張っていた海兵が頬をおさえて地面に座り込んでいた。
そしてその見上げる視線の先には、見たこともないような恐ろしい顔で睨みつけているロビンがいた。
「あなたたちみたいな馬鹿な海兵がいるから、世界が良くならないんじゃない。
形ばかりの仕事を済ませ、肝心なことはやらない。
名のある海賊が来れば、気づかないふりをして海賊の怒りが収まるまで待つ。
仕舞には、お金で海賊を雇い自分たちの利益を稼ぐ。
馬鹿な人間が馬鹿なことをやっていくから…」
「う…うるせぇ!海賊ごと気が何を言うんだ!」
途中でぶたれた海兵が反抗してきた。
そんな言葉じゃロビンはひるまない。
「だったら、私たちを倒して御覧なさい。
自分たちの有能ぶりを、島民の人たちに見せてごらんなさい。
早くしないと、あなたたちの無能ぶりがみんなに見られちゃうわよ。」
見たこともない黒い表情で、嘲笑うかのように海兵に言う。
今まで一緒に過ごしてきた一味も、驚いた。
ロビンがその海兵たちを縛り上げ、島民たちにほかの海軍へ通報しなさいと言った。
その後、何事もなかったように船へ戻った。
何も知らないクルーたちはいつものようにはしゃいでいたが、3人は少し大人しかった。
夕食が終わり、3人でロビンを呼び出し昼の話を聞いてみた。
するとロビンはどうしても許せなかったとだけ言った。
それ以来、何も触れてはいないがきっと過去に何かがあったのだろうと思っていた。