小説
□イケメンとかmg
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「「グリーン!!」」
後ろから同期の声が聞こえたかと思うと、背中に衝撃が走った。簡単に言うと飛びかかってきた。
「重くて痛いからどけ」
そう言って左右にもたれ掛かる同期を押し退けようとしたグリーンの視界は白くなり、すぐさま暗くなった。甘い香りが漂う。
「……お前ら」
今も尚視界は暗いし、息苦しいし、何より顔にベッタリとクリームがついている。
俗に言う"パイ投げ"をされたのである。
「キャーこわーい!!」
「イケメンどこ行ったー!!」
クリームが垂れて視界が広がってきたところで、グリーンは目の前で腹を抱えて笑い転げているレッドとブルーを見つけて縛り上げた。
「え、何?グリーンてば拘束プレイが好みなの?」
「変態だなぁ…俺はそんな趣味ないんだけどね」
「ったく、お前らも少しはその口閉じたらどうだ。あと俺とてそんな趣味は無い」
つっこむところはしっかり突っ込んで、そばにあったパイを2つ手に取る。
「…仕返し」
叩き込んだパイは2人の顔から微妙に反れ、肩や首筋にクリームが集中した。
「あ、やっば、服の中入っちゃった」
「グリーン…やっぱり変態?」
顔は外したが首筋に当たったため、クリームがハネて顔にも少しついている。首筋や肩をクリームで汚し、両手を後ろに縛られた状態で、しかも座っているから見上げる形になっている。要するに上目遣い。
「あ、や、そんなつもりじゃ…」
グリーンも故意では無いのだが、理性が飛びそうになるのを必死に堪える。そんなオロオロしているグリーンを感じ取ったのか、ブルーはレッドに何かを囁いた。レッドは嫌そうに苦笑したが、ブルーの頼みが断れないのか首を縦に振っていた。
「「ぐりーん」」
理性を保とうと頭を抱えていた彼の耳に、ぎこちなく名前を呼ぶ2人の声が。
見てはいけない
分かってはいたのだが、思わず振り向いてしまった。
「「……ほどいて?(ぐすっ)」」
その2人は、大きな瞳に涙をためながら、上目遣いでグリーンをじっと見つめている。
「ぬぉおぉおぉぁお!!」
グリーンは、理性を保とうと近くにあった木に何度も頭をぶつけ始めた。
【グリーン は 壊れた !! ▼】
「あああグリーン!!」
「やっぱりあの子はムッツリさんね」
「感心しないであげて。つか、これどーやってほどくんだよ」
「こーゆーときのメタちゃんよ」
「あ、あぁ、そうだな」
**************
金「レッド先輩!!遊びにき…た…」
銀「姉さーん、連絡とれなく…て…」
金銀「「………」」
金(…何で3人してクリームまみれになって寝てるんだろう)
銀(…とりあえずグリーン先輩のポジションが羨ましい)
あとがき
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