小説

□死亡フラグ
1ページ/1ページ




「マサラに住むチャンピオンってのはアンタのことかい」

「そうですけど…」

人目の少ないマサラタウンの草原で、レッドは見知らぬ男数人に囲まれていた。

「"戦う者"って言うからどんな強面かと思ったが…」
「なかなか可愛い見た目してんじゃねーの」

「嫌がらせ?」

発言からしてあまり賢そうに思えない彼等に違和感を覚え、レッドはその形の良い眉をきゅっと寄せる。
そしてその瞳は警戒の色で染められる。
そんなレッドを見下したような面持ちで、男達は更にレッドに近寄った。

「今、ポケモン持ってないようだね」
「………」

この日、レッドはポケモンをマサキに預け、マサラに広がる草原で日向ぼっこをしていた。ここはマサラの者だけが知る特別な場所なのだ。だからこそ、彼等の登場は予想外とも言える。
いくらチャンピオンと言えど、ポケモンがいないとただの少年なのだ。

「っ!!!?」

突然男に腕を掴まれ、そのまま押し倒された。上半身に馬乗りされ、両腕は別の男達に固定される。

「やめろっ…離せ…っ」

もがくも、両腕を封じられては抜け出せたものじゃない。

「そんじゃ、存分に可愛がってあげますよ、チャンピオン様」

怪しい笑みを浮かべた男達の唇がレッドのそれへと触れようとしたその時、

「リザードン、"ブラストバーン"」
「カメちゃん、"ハイドロカノン"」

…それはそれは力強い2色の光線が、男達だけを吹き飛ばしたのだった。
呆然とするレッドに2人の幼馴染みが駆けつけ、彼の体を思い切り抱きしめる。

「無事かレッド!!」
「アタシ達が来たから!!もう大丈夫だから!!」
「グリーン…ブルー……ありがと…」

お礼を言いつつ、まだレッドの肩が小刻みに震えていることに気づいた2人は、レッドから離れ、どす黒いオーラを纏いながら男達に詰め寄る。

「うちの可愛いレッドに怖い思いさせたんだもの」
「代償はきっちりと払ってもらうからな」






その後、マサラタウン郊外で干からびた男達が見つかったのはまた別の話。










マサラ組最強説
レッド先輩も2人に何かあったらキレます
マサラ組はお互いに2人が大切
誰か1人でも傷つけるとそいつ死亡フラグ





おしまい

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ