小説
□どうやって追い越せと
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赤「はぁ〜…」
青「ちょ、溜息とか珍しいわね…どうしたの?」
赤「あ、ブルー、それにグリーンも聞いてくれよぉ」
緑「どうした」
赤「前に戦った挑戦者がね、『レッドさんは美男美女に囲まれて羨ましいです!!』…って」
青「あらイイコト言うわねそのトレーナー。あながち間違ってないんじゃないの?」
赤「だからって自分で言うなよ…事実だけどよ」
緑「しかしそれだけで溜息をつかねばならんのか?」
赤「あー…その後のセリフなんだよ」
青「後?」
赤「うん。『でもレッドさんは美男美女のどっちでも当てはまりますよね!!貴方達ってホントに羨ましいです!!』…って」
緑「…言われたのか?」
赤「うん」
青「あながち間違ってないんじゃないの?」
赤「いやいや可笑しいから。そもそも俺はイケメンじゃないし女でもない」
緑青「「えっ…」」
赤「…何でそこで意外そうな顔するかな」
青「アンタがイケメンじゃなかったら周り不細工だらけよ」
緑「女ではなくても女顔に変わりないだろ」
赤「マジでお前ら言いたい放題だな」
青「まぁグリーンには男性的な魅力、アタシには女性的な魅力、そしてアンタには中性的な魅力があるってことで」
赤「キレイに纏めたつもりだろうが俺には納得できないな」
緑「というか自分で言うな」
青「…ってゴールドが」
赤「受け売り!?しかもゴーかよ!!」
青「…うるっさいわね認めなさいよ」
赤「嫌だ!!なんかプライドが許さん!!」
青「アンタのプライドなんて対したものじゃないわ!!」
赤「酷っつか、ブルー今日機嫌悪い!?」
青「アンタがそんな調子だからよ」
赤「あぁ、うん、ごめん」
緑「気が済んだか?」
赤「納得いかない部分もいくつかあるけどね」
青「それよりもアタシはレッドを見てるとたまに嫉妬しちゃうのよね」
緑「というと?」
青「チャンピオンで性格良くて優しくて、料理とか家事とか完璧で運動神経も超人的、更に顔も良いというオマケ付き」
赤「あははっその言い方じゃ俺がまるで完璧人間みたいじゃないか」
緑「いや、その通りだと思うが」
青「非の打ち所がないんだもの、嫉妬しちゃうわ」
赤「お前ら俺を美化しすぎっ!!それに何度も言うが俺イケメンじゃないし!!」
青「分かってるわ」
赤「まぁ、そこまできっぱり言われると傷つくけどよ」
青「レッドは、カッコいいんじゃなくて可愛いんだもの。きっと普段着にエクステつけるだけで女にしか見えないと思うわ」
赤「は?」
緑「信じられないのか?」
赤「ったり前だろ!!俺男だし」
青「じゃあ…試してみる?」
赤「ブルーさん、その手にあるものは何ですか」
青「エクステ。大丈夫、ちゃんと黒髪だから」
赤「この中で黒髪俺しかいないじゃん!!」
青「グリーン、抑えて!!」
緑「…ん」
赤「えっちょっ」
青「覚悟っ!!」
赤「ぎゃあああああああっっ!!!!!」
エクステだけつけて街歩くだけでナンパされるだなんて、思ってもみなかった by レッド