小説
□ボクのもの
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「貴方に初めて会った日の事を、ボクは今でも忘れていません。忘れるものですか」
「イエロー?」
「レッドさんを守りたい、助けたい、その想いは旅を始めたときからずっと変わりません」
「いきなりどうしたんだ…?」
「ボク、レッドさんのことが、好きなんです」
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
突然ソファーの上に仰向けに倒されて、イエローが俺の上に覆い被さってきた。別に逃げようと思えば逃げられるけど、まさかイエローがこんなことすると思えなかったから思考は固まって身体もうまく動かせなかった。
「…どういう意味?」
状況が読み込めないけど、あえて冷静なふりして問いかける。
「やだなぁレッドさん、分かってるくせに」
イエローは苦笑しながら俺の顔に手を伸ばす。ツゥッと頬から首筋へと指でなぞられてピクリと反応してしまう。
「ふふっ…可愛い」
その手は首筋から胸、腰にかけてゆっくりと滑っていく。くすぐったくて、声を押し殺しても身体はその小さな刺激から逃れようともそもそと動いてしまう。
「レッドさんでも身体の刺激には堪えられないようですね。あぁ、可愛いですよレッドさん…」
「イエロー…っ」
びくんっ!
小さな刺激が俺の中心部にまで来たとき、流石にダメだとイエローの腕を取ろうとしたが、それより早くイエローはその手を離し、逆に俺の手が掴まれて手錠を掛けられた。
「…冗談が過ぎるぞ」
普段温厚と言われてる俺だけど、全く怒らない訳じゃない。キッと睨みつけるが、対するイエローはそんな俺を見て薄い笑みを浮かべるだけ。耐えられなくなって、せめて退いて貰おうともがいた。
「ふふっ怯えるレッドさんもまた新鮮…可愛い、可愛いですよぉ!!」
その間にイエローは、息が荒くなって、逃がさまいと更に体重をかける。
「レッドさんレッドさんレッドさんレッドさんレッドさんレッドさんレッドさんレッドさんレッドさんレッドさんレッドさんレッドさんレッドさんレッドさんレッドさん」
「ずっと欲しかったレッドさん…これでボクのものになってくれたら…」
「 本 望 で す 」
その日はじめて、彼女の想いを知った。
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