長編

□APR
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炎で焼かれた中年の男が、アスファルトの上に寝そべっている。

「邪魔だな」

目の前の男が悠々としていたところから突然顔色を変えて訳の分からぬことを語り出し、俺がリザードンを出したらまた顔色が変わって今度は真っ青になり、その放った炎に捲かれてもがいて足掻いて、それでも為すすべもなくてその場で儚き命を落とすという、まぁよく分からないごちゃごちゃした記憶が残る。
しかし、こんな道端で寝転がられては困るのだ。
コイツを早くかたさないと、この俺が殺人の罪で問われてしまうじゃないか。
事実じゃないかって?まぁそうなんだが、捕まったらあれだ、すぐに脱走できるけどしたところで給料無くなるし指名手配されるしデメリットしかない。
要するに、こうやって話している暇はない。
こうやってもたもたしている間に誰かに見つかる可能性も無くはなi

「何してるの?」

そうそう、こんな風に…

…………………。

「…っ!!おじさん…死んで…!?」

突然目の前に現れた男は死体に気付くと足が竦んだのかその場から離れない。

ちっ…見つかったか…仕方無い、見ちまったんならこいつもヤるしかない。ここに来たのが運のツキだったな…!!

そう心の中で叫んで振り向き、手の中にあるモンスターボールのスイッチに指をかけようとしたとき、奇跡が起きた。

「my angel…」

待て、この男、可愛過ぎやしないか!?もしかして…男装趣味の女!?えっ、だってパートナーポケモンどうみてもピカチュウだし…っなにそれ可愛い。

「あの、これ、まさか…」

そいつはまだ死体を凝視していた。

だかしかしそんなことどうでもイイ。
俺は!!可愛いものは人であれポケモンであれたとえ人形であろうと手を出すことができない!!好きなんだもの!!

「つ、通報、しときますね」

どうしよう殺せないとオロオロしてたら、後ろでそいつの声がした。

「きっと近くに殺人犯がいるんだ…君も早くここから離れた方がイイですよ…」

そいつは登校中で急いでたのか、ケータイで警察に場所を知らせてそのまま足早に学校の方へ向かっていった。

「つか、その殺人犯、俺なんだけど…」

独り言のように(実際そうなのだが)呟き、俺は誰も入らないような薄暗い路地裏を通って帰ったのだった。












To be continued

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