ごみ

□いつまでかの
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「ジェーーーイドッ」

勢いよく窓を開け放して、瞬間っ、前傾姿勢を取り受け身で飛び込む。

寂。


…………アレ?
明かりが付いてるからてっきり起きてるもんだと思ったが…
それにしては、いつも即座に飛んでくる罵声か、物か、はたまたため息が来ない。
ハテナを掲げながら顔を上げると机に付属しているジェイドが見えた。
その延長線上には重ねられた、書類の小山。

………………寝てる?よな?
うわ、珍しいもの見ちまった。
…これってチャンスじゃねぇ?
一つの志を胸に秘めて。
(なーぅゲッタチャンス!!)

この大佐のことだ足音を起てれば起きるかもしれない。
そそくさっと忍び寄る。

「コイツ眼鏡も外してないよ…」
へっへっーん。起きた時に変な跡よ付いてろーー


ポケットから黒のマジックを出して。
きゅポっ。
空気の軽い音を興してキャップを抜く。

「ちゃらりラリラリラ〜〜るっるルっvV」
女の子から黄色い目線を受ける綺麗な顔にもう一つの芸術を描いていく。

「やっぱ瞼目はお約束か?ククっ………ヴァン要衝みたいにしてやろう」


キリリ極太眉毛。
睫バサバサの焦点が合ってない目。
その下には濃すぎる隈と。
バっと鼻の穴から出ているはっちゃげた毛。
額には大きく『肉』の文字。

「プっ………くはは…だっ駄目だ…ありえね…コイツ雑魚すぎ…!!!!」

もうそれはすでに芸術の域をこえていた。
その黒の線達が一つの意志共同体で、原型ジェイド、全てさっぱり巻き込んでいて。
そう…それは、
「すなわち黄金律なり!!!!」

素晴らしき任務を果たした誇り高き黒マジックを頭上に掲げて叫んだ。

「へーーぇ……なにが黄金律なんですか、陛下vV」

背後から死神の囁き。
とっさに振り返る。


「ーーー……っ!!?おっ!!おまおまおまおま………ッ!!!?」
いろんなものが駆け上がっていく悪寒と千鳥足をこらえて後ろに思いっきりあとずさる。

ここで捕まったらヤバい!!!!
ぜーーーったいに!!!!
そう心の底から思っているのに駆け出すどころか、生まれたての小鹿の足取り。

くそっっ!!


「へーいかvV逃げることないじゃないですか。……あぁ…捕まえて欲しいんですね?くすっ…v」

自分がした芸術そのままにヤバい笑みを浮かべて近づいてくる。
ヤバい……これはこれで拷問だ…

「私のへーいかv」

じりじりと下がる足が壁に当たった。
体は止まらなくてそのまま背中から壁に付く。

「すっ、すまん!!ジェイドッ!!そっ、そんな…怒んなよ……っ。俺が悪かったから!!!!」

「うふふふふふ…」
「ぅぁぁああぁぁああああぁぁあああああぁぁぁぁああああああああ」






――――――――――――――pppppppppp――――――――
部屋が暗転。




















「ぐやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・・・・・・・・・・おっお前!!仮にも自分の主に・・・・・・!!!!」

「人にこーんなことしてよくもそんなこといえますね。ええ?わかってんのか、コラ」

ぺこっ

「じぇ・・・・じぇいど!!なんか今人体から出ちゃいけない音が・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「ふじゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「うくぅぅぅぅぅぅぅうああああああああああああああ・・・・・・・ぁぁ・・・」

むにゅぅくっ

「きぇぁぁぁぁぁぇぇぇぇぇぇええ・・・・・・・・もう駄目・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・ふふっ・・・・・・・・・・・・」




さーぁ・・・バカも片付けたところで。


明日の準備でもしましょうか。






















自覚症状のない不安やら、疲れやらでちょっとばかり機嫌が悪かった大佐と、
なにげにちょっとだけ心配しにきてた陛下が書きたかった気がしてました。玉砕…













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