New crescent
□それは甘い果実でした
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最近、気になりだした女がいる。
隣のクラスの……ほら、あの娘。
表情がコロコロ変わって、強気で…でも泣き虫。
「可愛いよな…」
「なにがだよい」
「あれだ……ってマルコッ!?」
「よォ」
「いつからそこっ!チョッ…!」
「慌てすぎだろエース…お?あれって…***チャンじゃねぇかい?」
「あれ、マルコお前あの娘知ってんのか!?」
「知ってるもなにも…転校生だろ?最近噂になってきてる癒し系女子」
「癒し系…」
たしかに、スゲェ見てても癒される。
ふわふわの長い髪とか。
教室の窓からみる…上から見ると、風になびいているのが凄く良くわかる。
「***ーッ!」
急に聞こえた声。
隣のクラスの窓からだ。
あの娘…***チャンは上を向く。
その仕草に更にグッときた。
『あ、ナミ!』
「***!忘れ物ッ!!」
『え?あ…!ごめんっ!今行くーッ!』
「いいわよ来なくてー!…投げるからしっかりキャッチしなさいよーッ!」
『えぇ!?』
どうやら、忘れ物、とは筆箱だったらしい。
中に弧をえがきながら落ちていく筆箱。
ありゃ…普通にキャッチしたら痛ェだろ。
『わっ…痛ッ!』
「ぶっ!!」
『!!』
やべ!盛大に吹き出してしまった!!
で…でも…!!
手ェ伸ばしてんのになんで頭にあたってんだよ…!
マジでおもしれぇ!!
となりでマルコは“ドジだねい”とか言って笑っている。
でも、オレの吹き出しに気がついたのか***チャンがこちらを見ていた。
『あっ…!///』
「くくくっ…すまね…ッ!頭大丈夫か?」
『は…はいっ…あの!今の忘れてくださいッ!!』
見られたという事を知った彼女の顔は、一瞬のうちに真っ赤になった。
そんな姿でも、可愛いっておもうオレ。
やっぱり、あの娘のことが好きなんだ。
「ニヤ…忘れられねェ」
『エェっ!!お願いですッ!忘れてくださいぃー!!』
「…マルコ。ちょっと行ってくる」
「あ?言ってくる、の間違いじゃねェのかい?」
「うるせ」
さあ伝えよう。
まずは、友達からでもいいから。
『あっ!今さっきの…ッ///』
「あァ。プククッ…頭、大丈夫か?」
『はっはい…その…忘れてください…お願いします…』
「あー。無理だ」
『えぇッ…』
「だってオメェ…かわいすぎだろ」
『…え?』
「オレ、お前のこと好きみたいだ」
『へっ…///』
「まぁ、まずは友達からだ!よろしくなッ!***!!」
『私の名前ッ…!』
「気になる娘の名前はオレは覚えるんだ」
『…もう……じゃあ、こちらこそ…よろしくお願いします。エースくん』
「俺の名前ッ!知ってたのか!?」
『フフッ…知ってますよ。ポートガス・D・エースくん』
「なんで…」
『だって……』
一目惚れだったんですもの