Shooting star

□Shooting star...六
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ゴム弓を作り終え、みんながだいぶ上手くなって来たときのこと。
昼ごはんも食い終わってみんな食堂ですこしダラダラとしていたときのこと。




 『ベッポー!!』

 「あ、どうしたの?煌」

 『いんやー、疲れたからモフモフしたいだけだ!』

 「そっかー、今日は天気がいいから外にでも行って日向ぼっこするー?」

 『!!する!行こうぜ!!』






そう言って、べポの大きなモフモフの手を握って早く早く!と
急かしながら甲板へと向かった。




 「…なぁ、前々から思ってたんだけどよ」

 「あぁ」

 「煌が時々だが、女に見えるときあるんだよ」

 「ハッ…冗談はやめろよ、あんな男のどこが女だ?」

 「いや、笑った顔とかだよ」

 「…まぁ、ほかの男とまた違うな」

 「……だよな」





今もなお、女だと気がつかれていない煌。










ー甲板ー


 『んぁー!!気持ちィな!!』

 「だねー!お昼寝日和だぁー!」

 『ベポ!お腹枕にしていいか?』

 「いいよ!じゃあ寝よっか!」

 『おう!!』



そう言って寝っ転がったシロクマこと、ベポのお腹に自分の頭を乗せる

目の前には、透き通るような青色が広がっていた
眩しい日光に少し手で影をつくり、暖かさを体全体で感じる。




 『…いいな』

 「ん?」

 『こんなこと、前はできなかった…こんなにもいい仲間たちとも出会えなかった』

 「煌…友達いなかったの?」

 『ん?いたさ…大切な親友もいた』

 「恋人は?」

 『恋び…ッ?!いるわけねェよ…でも…ベポにだけ教えるが、俺は好きな奴がいたんだ』

 「そうなの!?」

 『あぁ…オレの高校の、2つ年上の先輩だった』

 「そうかぁ」





今思い出しても恥ずかしい。
あの頃はまだ今に比べたら髪の毛は長かった。
でも、祐先輩が“髪の毛ショートが好き”っていったからバッサリと切った

我ながら乙女だったと思う。
結局は思いも告げられないまま、先輩は卒部していった…



 『何も言えないまま、終わった恋だよ。それが一番最初の恋愛だった』

 「今まで、したことなかったの?」

 『あぁ。興味がなかったからな』
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