Full Moon
□始まりの時
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記憶の断片にある、幸せだった時期。
いつも隣にはある男の子がいて、毎日笑いが絶えなかった。
ある日、その男の子が泣きそうな顔で訪ねてきたのを覚えている。
どんなことを訪ねてきて、どんな答えを出したかははっきりとは覚えていないけど…
そのあと、私とその男の子で大泣きしたのは覚えてる。
その男の子と別れたのは2歳の頃。
なつかしい……
あの男の子は、今…どうなってるだろうか。
^^^^^^^
〜過去〜
?「おい…嘘だろ?約束したじゃねェかよ」
『うん』
?「やぶんのかよッッ!!」
『ごめん…ごめんね…』
?「んでだよっ!!オレが…鬼の子だからか!?」
『違うッ!!そんなわけない!!』
?「じゃあなんで!!」
『それは…ッ』
?「んだよ…はっきり言えよ!!」
『…ごめん』
?「もういいッ!!テメェなんかどっか行っちまえばいいんだ!!!」
『っ・・・』
?「早くどっか行けよ!!」
『ふぇ……っく…ごめ…んね゛!!』
?「っ〜〜」
そのまま、立ち去った。
その男の子は一度も私の方を見てくれず……
今思えば、あの男の子は泣いていたに違いない。
かすかに肩が震えていたのだから……
でも、どうしても行かなくちゃいけなかった。
あの男の子を守るため。
あの男の子が“鬼の子”ならば私は“悪魔の子”だから。
あの男の子の正体はバレなかったけど、私の正体はバレていた。
存在していることを知られていた。
このままあの場所にいたら、きっとあの男の子のことも知られてしまうだろう。
それだけは避けないと。。。。。。
「いたぞ!!“死神の使者”!!」
『…シツコイです』
あの場所からは、逃げ出した。
それからは追われる身となった。
だから強くならないといけない…幸い、私には元々変な能力があったから助かっている。
あの男の子を守るため、出ていった場所はまるで地獄。
そこで約10年間もの間、外の世界を知らずに過ごした。
だけど争いの耐えなかったあの場所は鍛えることにはうってつけの場所。
今ではおかげさまで“世界最強の女”となった。
『…いつか会えたらいいですね』