Full Moon

□物語
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エ「あ〜う〜」

ガ「エースーじいちゃんじゃよ〜」

ダ「ガガガッガープさんッ!!!」



また来やがったーーー!!
なんの連絡もなしにひょっこり出てきやがるから心臓もたねぇよ!!

しかもなんか抱いてるし!!!
なんだよこれ!!
またガキかよ!!!



ガ「で、だな。ダダン」

ダ「なっなんだい」

ガ「この子をここに預けに来たんじゃ」

ダ「こんなガキゴメンだよ!もうエースがいるってのに!!」

ガ「あ?」

ダ「じょ…冗談ですよ・・・でもどうしてまた?」

ガ「それがじゃな…ワシもよー分からん。じゃが…ここに来る途中である女とあっての」

ダ「はぁ…」


始まった。
女からのスタート。
エースの時もそうじゃねぇか!!
あーイライラするっ!!


ガ「その女…ワシにこの子を引き取ってくれといって聞かんのじゃ」

ダ「で…その女は?」

ガ「分からん。この子を預けて……理由を聞いたら“ありがとう”と言って走り去りおった」






あの女……相当辛かったろう。
夫は無罪であるのに大犯罪者と言われ公開処刑され……
自分は大犯罪者の嫁というレッテルを貼られ…

この子には“悪魔の子”というあだ名までつき世界政府から追われている……


死ぬんじゃないぞ……
この子が孤独になってしまう。




〜〜〜


ガ「エースはどれほど大きくなったかのー」


自分でもすごい溺愛ぶりだとわかっておる!!
あんな可愛い孫にデレなしでおれという方が無理じゃ!!
論外じゃ!!!



 「あの…海軍中将の……ガープさん…ですか」

ガ「あ?」


後ろを振り向けば、珍しい銀髪で深紅の瞳をした美女が立っていた。
その腕には、まだ生まれたばかりであろう小さい赤子を大切に抱きしめて。


ガ「そうじゃが…ワシに何かようか?」

 「あぁ…よかった!やっと会えた…ッ!!貴方に…貴方にこの子を引き取って欲しいのです!!」

ガ「きゅっ…急に何を言っておるんじゃ!この子を育てるのは親であるアンタじゃろうが!」

 「おっしゃるとおりです…でも…私には時間がない……この子を巻き添えになどできませんッ!お願いします!引き取ってください!」

ガ「……何か深い訳があるんか?」

 「っ…言っていいことではないと思います……ですが、話したら必ず引き取ってくださるというのなら…」

 『うぇ…うえええぇええん!!』

 「っモミジ…ごめんね、うるさくしちゃって……ごめんね…ごめんねッ!!」


女の赤い瞳からは、大粒の涙がポロポロと出てきている。
辛いことがあったのか、ここは海軍として話を聞いてみるべきか?
そしたら引き取らなければ………


ガ「お前さんは、この子を本当に手放したいとおもっとるんか?」

 「そんな…思うはずありません!!ですがッ…世界が…それを許してはくれません…」

ガ「世界が…?」

 「お願いです…この子を…モミジを!!引き取ってください!!」

ガ「わかった。じゃが、理由を聞かせてもらう」

 「!ありがとうございます!!!」
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