Full Moon

□誇り
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私とポートガスが船に乗って、だいぶたち
クルーの皆さんと普通に話すようになった頃



マ「モミジ」

 『はい』

マ「どうしたんだよい、その包帯」

 『?…あぁ……これですか。気にしないでください』



マルコさんが指差す先は、私の右の二の腕。
結構大きくまいているソレはあるものを隠すためのモノ。


マ「怪我したのかよい?」

 『はい』

マ「珍しいこともあるんだない!じゃあ今日は書類の手伝いを頼むぞい」

 『はい…ではまた後で』


私は、一番隊の副隊長となった
本当は、二番隊隊長を勧められたけど…
私では駄目な気がしたからお断りした。
新米の私なんかが、ましてやこんなに無愛想な人を隊長だなんて……
ダメだよ。
しかもずっと欠番だったと言うことは、何か相当深い理由があったんだろう


珍しく、ボーっとしながら歩いていると誰かにぶつかった

 「っと悪りィ!」

 『ッ…すいませ…』


でた。
苦手ナンバー1のポートガス。
昔の友達なのに、何故か避けてしまう私がいた。
それは、嫌いだからだろう

そう自分で思っている


エ「モミジ!あれ…?それ……」



私にあった瞬間、パァ!っと効果音がつきそうなぐらいに満面の笑みとなるポートガス。

うん。
やっぱ、なんかわかんないけど苦手だ………


 『すいませんでした。では』

エ「ちょ…待てよ!どうしたんだ?この腕」

 『…別に』

エ「大丈夫なのか?広範囲に包帯って…どんだけだよ」


本気で心配してくれてるのか、さっきの笑顔が嘘みたいになくなって
今じゃ眉間に皺が寄っている。


 『大丈夫です。では』

エ「…あ。そうだ!!見てくれよ!!」

 『ハァ……なんですか』


私が去ろうとするたびに話しかけて……
何がしたいんだ…この人は。
けど、一応だけど“仲間”だから話は少しでも聞いてあげなくっちゃ……


私がゆっくりと振り向けば、そこには満面の笑みのポートガスが背中を私に向けて立っていた


 『!それ……』

エ「“白ひげ海賊団のマーク”だ!」

 『…刺青ですか』

エ「あァ!!オレの誇りだ」


本当に、嬉しそうに微笑むポートガス。
ポートガスの背中には、怪しくも優しさの漂う笑顔の“マーク”

 
 『いいですね、似合ってます』

エ「!!本当かッ!?」

 『はい。…で、見せびらかしたいからTシャツ脱いでいるんですか』

エ「あァ!せっかく彫ったのに隠してちゃもったいねェだろ!!」

 『…そうですか。では用事があるので失礼します』

エ「おぉ!ぶつかって悪かったな!」

 『……』


今度こそ、振り返らずに一度自分の部屋へ戻る
最近、ポートガスとはやけに話してるような気がする。
いや……話しかけられてるんだ。
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