Full Moon

□温もり
1ページ/5ページ


アサギ色の空に白い大きな翼で羽ばたく


上空から見る海は、果てしなく広かった
キラキラして、まるで宝石がすぐそこにあるようだ。

力強い風が何度も身体にぶつかってきて
まるで、本当の思いを吐き出せと言っているみたい。






『みんなに…会いたい…』






ボソッと呟いても、今は誰も答えてくれない
少し前までは必ずエースが反応してくれていた
でも、そのエースはいない

アラバスタでエースから貰ったビブルカードが
"オレはこっちだ" "オレは生きている"と訴えているかのように
ロケットペンダントごと微かに動いていた。





『いた…モビーだ…』






スカイブルーに浮かんでいる、白い塊
それは探していた、私のもう一つの居場所。
吸い寄せられるかのようにモビーへ羽ばたいていた



その頃、モビーでは




マ「!…何かくるよい」

サ「え?」



マルコが斜め上を向いた。
その視線の先には白い大きな翼





サ「マルコ!あれって…!」

マ「あぁ…間違いないよい!」

サ「モミジ…!!!」

『!!サッチさん…マルコ隊長…!』







勢いを少し緩め、二人に飛び込むように舞い降りる
二人共隊長だから、やはり倒れたりせずに受け止めてくれた






サ「モミジ…?」

マ「どうしたんだよい、モミジ」

『マル…コ隊長ぉ…』

マ「!!何があったんだぃ!!!」




突然泣き始めたモミジに二人は驚いた
ただごとではない、何かが起きた。
そう悟った顔をしていた。

サッチが何かに気が付いたように辺りを見渡す




サ「モミジ…エースは?」




いつもなら少し遅れてでも必ず登場してくる奴がいない
一人で帰ってきたのも可笑しい。
二人は嫌な予感がしたのか、段々と冷や汗をかいていた



『エースが…っ一人でティーチの所に行ってしまいました…』

マ「一人でだと…!?」

サ「モミジが一人で行かせるはずないから…
エースがモミジに黙って行ったんだろうなぁ」

マ「あいつらしいよぃ…」

『申し訳ありません…私が油断したせいです…』




胸元でキラッと光るロケットペンダント
それに気が付いた二人は不思議そうな顔をしていた





サ「そんなの持ってたっけ?」

『いえ…エースが、くれたんです』

マ「月桂樹とシールドにクロス…そういう事かよい…」

サ「え?どういう…」

マ「エースと、付き合ったのかぃ?」

『…はい、でも置いて行かれたのはそのせいなんです』

サ「うっそ!!!」

マ「不器用な弟だねぃ…とりあえずオヤジの所にいくよい」

『はい』




マルコは分かったようだった
流石長男と言うべきなのだろうか
誰よりも落ち着いて、その懐の深さは白ひげにも似ている。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ