Full Moon

□始まりの時
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地獄から抜け出してから約5年。
私は今、17歳になった。

父親は大犯罪者、母親は大犯罪者の嫁。
そして私は“悪魔の子”


一家揃って最悪なレッテルを貼られた私達。
最初は父親を恨んだけど、今ではもうこの世にいない奴のことなど興味は無いからどうでもいい。




 「銀髪に深紅の瞳……間違いない。懸賞金9億4000万ベリーの“死神の使者モミジ”!!」

 『……』

 「お前を海軍に渡したら、俺らは七武海の仲間になれる!!大人しく捕まってもらえれば痛い思いはせんですむぞ!!“死神の使者”!」

 『申し訳ありませんが…嫌です。』

 「交渉決裂だな…死ねぇええ!!」

 『嫌です』



最近は七武海に入りたがっている雑魚の海賊団から狙われることが多い。
…が、返り討ちにしてやっている。

今だって、船長しか残っていない状態に。



 『どうしますか?』

 「おのれ…仲間になんてことをしやがる!!!」

 『先に仕掛けてきた貴方がたが悪いです』

 「ほざけッ!!」




ものの数分で決着がつくから、そこまで苦はない。
死なない程度に片付けるから。

私への恐怖を少しでも植え付ければもう手は出してこないから。



 『口ほどにもない…』


が、さっきから背中に刺さる視線は一体なんだろう。
妙に嫌な予感しかしない。
海軍かな??

と思っていたら、急に近づいてきて背後から声をかけられた。



?「あんた強ぇな!!」

 『…どうも』

?「今の戦い見せてもらったぜ!!この数をものの数分で…スゲェな!!」



後ろを見らずに会話だけをする、私とこのシツコイ男。
ルーキーだろうか。
面倒だなぁ……



 『私これから用事があるんで失礼します』

?「あッ!待ってくれよ!!」

 『ハァ…なんですか』

?「名前だけでも教えてくれねェか?」

 『……あなたに教える名前などありません』

?「ぇっ…ちょ!」


羽を背中から生やし、中へと飛ぶ私にシツコイ男が少し驚いたような声をだしまだ呼び止めようとする。

うるさい男だ…と思いながらも、本当に用事があるから急いで海へと出かける。




この出会いが、これから私の人生を狂わせていくものだと知らずに。


止まったままの歯車は軋む音を立てながら15年ぶりに少しずつ動き始めた。
だが、その音はとても小さく、当の本人達には聞こえなかった
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