Full Moon

□過去の残像
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エ「…いや、今日はオレが見張り番だからオレがする」

 『…なら、私もそこにいます』

エ「?モミジは寝てろよ」

 『……今日は、何故か寝れないんです』

エ「…そうか。あ!先に見張り台行っててくれ!」

 『はい』



ポートガスに言われた通り、素直に見張り台へと登っていく。
何故か、今日はポートガスのいう事を大人しく聞いてしまう。




5分程度、見張り台で空を見上げていたとき
ポートガスはある物をもってやってきた。



エ「夜は冷えるだろ?ホラ」

 『!』

エ「肩にでもかけとけ」


ポートガスがくれたのは、毛布だった。
それは昔と少し似ていて……


 『…昔みたいですね』

エ「あぁ…」

 『…私、ノースブルーであの場所に似ているところを見つけたんです』

エ「あの場所…俺とモミジが見つけた崖か?」

 『はい。凄く似ていて…驚きました。その時私は死にかけていた』

エ「!!」


なんで、過去のことをこの人に話しているんだろう。
やっぱり、あの時と同じような夜だからだったのかな?



 『だけど、ある人が助けてくれました。それで生き延び、ここまで来れた…』

エ「…すまねぇ。オレ…守るって言ったのに……」

 『いいんです…私は、自ら進んであの場所へ行ったので…』

エ「だけどよ…」

 『気にしないでください…私は、アナタを守りたかっただけですが…逆に傷付けたようですね』

エ「それは違ェ!オレ…お前を信じてやれなかった…ごめん」

 『…こんな話、やめましょうか。……ここでまた出会えた…それでいいじゃないですか』

エ「モミジ…」

 『私はやはり、あなたに出会ってはいけなかったんですがね…

エ「なんかいったか?」

 『いいえ。……あなたは寒くないのですか?』

エ「火だからな。涼しいくらいだ」

 『そうですか…』



ふと、夜空をもう一度見上げてみる。
そこにはやっぱり、変わらないモノがあった…





エ「……」






…お母さん、今、何処にいますか?
この空を、見ていますか?
それとも……見守ってくれているのですか?
一度でも、会いたいです。

そして、真実を聞きたい。





―――本当に、私の父親は犯罪者なのか?






エ「なァ、モミジ…」

 『なんですか』

エ「オレ…ガキの頃からずっと言いたかったことがあるんだ。」

 『?……それはまた今度でお願いします』

エ「できれば今の方がいい」

 『今度でお願いします……海軍のお出ましなので』

エ「!!」

 『では…騒がないでくださいね。みなさん、疲れてるだろうから…私が行ってきます』

エ「ま……!!」
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