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□ずるい人
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「先輩は……ずるい」
「んっ?」
「あんなにいっぱい食べているのに、なんで先輩は太らないの!?不公平だ!!」
「……そういう体質だから仕方がないだろう」
「うぅ……」

本体の先輩と同じようにシャドウの先輩も痩せの大食いだ。
よく大食いの人と一緒に食事をすると太りやすくなるというのは、聞いた事があるけど、僕も本体の直斗もどっちかというと少食だから大丈夫だろうと思っていた。
先輩と一緒に暮らすようになってから、食事をしっかり三食摂るようになった。
先輩の料理は、凄く美味しいし、大好きだ。だけど、料理の品と量が多すぎる。
また、先輩が美味しそうにご飯を食べるから、つい僕もつられていっぱい食べてしまった結果、体重が増えたのだ。
自己管理ができなかった事を棚に上げて、彼に八つ当たりするのは間違っている。……でも、納得がいかない。

「体重が増えたのか?どれくらい?」
「……女の子に体重を訊くなんてサイテー」

本体の先輩なら絶対そんな事は訊かない。
この先輩のシャドウは、少々デリカシーがない。

「……変わっていないように見えるけど……あっ、胸が前より少しふくよかになったかも」
「えっ、ホント!?……って、どこ見てるの……先輩のエッチ!!」

本体の直斗が胸大きいのに対し、シャドウの僕は胸が小さい。
最初は、全く気にしていなかったけど、先輩と出会ってから、この胸はコンプレックスになっている。
だから、胸がふくよかになったかもって言われて一瞬でも喜んだ自分が恥ずかしくて、両腕で胸を覆い隠した。
うぅ……僕のさっきのリアクションで、貧乳である事が、先輩にばれちゃったよ。
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