garbage box
□抱きしめる
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「先輩、おかえりなさい!はい!」
「?」
ラボに戻ったら、直斗が大きく両手を広げてきた。
「ハグハグ!」
「…ハグハグ?」
ハグって…抱きしめる事だよな?
…直斗は、俺に抱きしめて欲しいのだろうか。
とりあえず、彼女のお望み通りにそっと抱きしめる。
「もっと、ぎゅーっと!!」
軽く抱きしめるだけでは物足りないらしく、彼女の両腕が俺の腰に回され、抱きしめ返される。
さっきよりも…苦しくない程度に強く抱きしめれば、彼女の体の感触とぬくもりを肌で感じる。
「えへへ…先輩、あったかーい」
…自分は、湯たんぽがわりにされているのだろうか。
でも、直斗がとても嬉しそうだから…しばらく、このままでもいいか。
それで…君がずっと笑ってくれるなら、何度でも抱きしめてあげる。
END