長編
□惚れてもいいですか
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ブー、ブー
暫くボーッとしてると、俺の携帯のバイブ音が鳴った。
相手は部下から。
俺は渋々電話に出る。
『おい、今HRの途中なんだけど。』
「す、すいやせん兄貴!でも、兄貴がいない間大変な事が起こったんです!」
『あぁ?何だそりゃ?』
「俺ら、いつも通り校門の前にたまってたら
黒髪で、右目に眼帯付けてる野郎に邪魔物扱いされて…」
右目に眼帯…
明らかに、今隣にいる奴だと察した。
「それで、ボコボコにしてやろうかと思ったんスけど
こっちがボコボコにされちゃいやした…。」
『結構な人数でお前らたまってたじゃねぇか。』
確か15人くらい…
それを一人で倒したのか?
うちの部下は決して弱い訳ではないのに…
「兄貴、もしそいつ見かけたら俺等の敵討ってくだせぇ…。」
『ったりめーよ!この鬼若子が叩き潰してやらぁ。』
「あ、ありがとうございます!では!」
そう言って電話は切れた。
とは言ったものの、
今俺の隣にいるんだよ!お前らボコボコにした奴が!
見かけたどころじゃねぇ!
ガン見だぞ!ガン見できるぞ!
俺の惚れた奴は
帰国子女で
喧嘩の強い
訳のわからねぇ奴でした。