裏部屋
□奪
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『What?誰だ。』
三日月の夜、いつものように木刀を持ち素振りをしていたら
誰かの気配を感じた。
『出てこいよ。いるんだろ。』
普段より低い声で威嚇をする。
「さすが奥州筆頭伊達政宗。勘がいいですね。」
草の陰から出てきたのは豊臣軍の竹中半兵衛だった。
『何でここにいる。』
妖しく笑う竹中に俺は苛立ちを覚える。
何なんだよこの男は…。
「今日は君に用件があってね。」
『用件?』
「えぇ。長くなるので単刀直入に言いましょうか。
片倉小十郎をこちらにくれないかな?」
竹中の言って意味がわからなかった。
この俺に小十郎を渡せ、だと?
狂ってやがる。