裏部屋
□忘
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暗い…
此処は何処?
竹中半兵衛は…?
「…様」
暗い苦しい怖い…
助けて…
「政宗様!!!」
『ん…。』
突然目の前が光ったかと思ったら
大切な家臣が眉間に皺を寄せて俺を見ていた。
『よぉ小十郎…。』
「よかった…本当によかった…。」
そう言ってゴツゴツと筋肉で固い体に抱きしめられる。
『心配かけちまったな。don't worry.もう大丈夫だ。』
「しかし傷は深刻です。すみません、この小十郎がもう少し早く発見できれば…。いったい誰に?」
『いや、俺も気付いたらぶっ倒れてたからわからねぇ。』
顔に出ない様必死に嘘をつく。
ここで今、竹中の名を出したらこいつは絶対竹中を殺しに行くから。
「この片倉小十郎、政宗様の傍にいなかった罪、自ら償います。」
小十郎は懐から小刀を取り出し切っ先を腹に向ける。
『待て待て!お前が死んだらもっと困る!そうすぐ早まんなよ!』
「し、失礼致しました…。」
小刀をサッとしまい俺の体に目を向ける。
今更気付いたが、やっぱり古傷の辺りに包帯が巻かれていた。
少し動いただけでも鈍痛がはしる。