裏部屋

□奪
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『crazyな質問だな。死んでも小十郎は渡さねぇ。』

「フフ…言うと思いましたよ。随分前にも、ご本人に同じ事を聞いたのですがキッパリと断られました。
貴方達の絆はとても深いようで。」


『当たり前だ。どんな手を使おうともあいつは俺の家臣だ。』

どれだけ言葉で突き放そうとも竹中は変わらず妖しく笑っている。

「では、力ずくで説得させるしかなさそうですね。」

『俺との喧嘩に勝てるとでも?こりゃまたcrazyな野郎だぜ。』

俺はちょうど手に持っている木刀を持ち直し、構える。

木刀じゃ切れねぇけど、こいつの息の根を止めるには何でもいい。

『Let's Party!!』

勢いよく木刀を振りかざす。


「おっと!危ないなぁ。」


が、サラリと避けられる。


『なかなか余裕じゃねぇか。』

「ふふ、ふはははは!!」


いきなり笑い出す竹中。


『お前、本当に狂ったか?』

「いや、独眼竜とも有ろうお方が体の異変に気付かないなんて…可笑しくてねぇ。」


尚も竹中は笑っているが、目は笑っていない。


『Ah?この通り体に異変なんか……うっ!!??』



突然体が燃えるように熱くなったかと思えば、眼球が無い右目から何かが出てくる感じがした。


我慢できずその場に座り込む。

『あがあぁぁぁ!!!はぁ…はぁ…あ…づいぃ!』


自分の声とは思えない程の化け物みたいな悲鳴が出た。


「貴方が素振りをしている間、悪性の薬を貴方に放ったのですよ。どうです?右目が熱いでしょう?
その薬は特に傷口を猛烈に苦しませるんですよ。」


竹中の言う通り、右目だけならず
戦の時に斬られた古傷までもを熱くさせる。


「さっきまでの威勢は何処に行ったのやら。たいへん美しくもがいてますね。」
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