なんということでしょう。

□5:help me!!
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理解できない。



ちょっと手伝って欲しいことがあるんだ。
私一人では出来ない事なんだ。ハチ?あぁ竹谷は呼ばなくていい。
むしろお前にしか出来ない事だから。
なに、難しいことじゃない。すぐ終わる。
だから、ついて来てくれないか?

そう三郎が頼まれて、特に断る理由もなかったので了承した。


だがしかし!!!!


現在の状況はなんだ!?
なんで私は三郎に


襲わwwwれwてwwるwんだw



笑い事ではないです。はい。
もう少し過去の記憶を遡って整理してみよう。

三郎に頼み事をされる→了承する→従いていく→空き教室に到着→押し倒される。

はい、整理整頓終わり。
結果ーーー


私の貞操危なし!!!!


以上!!!!



じゃないわぁぁぁああああ!!!!


え?何なの?コイツ?退けよ!!退いてよ!!
重いんだよ!!力強いんだよ!!これが男女の力の差か!!!!
しかも顔!顔!!ヤバい!!何興奮してんの!?
私のこと貧乳とか言ってたの何処のどいつだよ!!
もう一回言うよ!?何興奮してんの!?発情期かっ!!


現在の状況に頭が追い付かず、ただ呆然と目の前の三郎を見つめる。
そんなことを考えているうちに服の中に何かが侵入する。

え何コレ。


三郎の手じゃけんっ!!!!!!


「ちょ、待て、待て!!三郎、落ち着いて!!!」
「私は落ち着いてるぞ。安心しろ。優しくするから」
「不安!!!!!!超不安なんですけど!!!」



これは本気で危ない!!
私の貞操、三郎に奪われるよ?
嫌すぎる!!!嫌すぎる!!!
誰でもいいから助けて!!!お兄ちゃんでもいいから!!!!!!
てかコイツ嘘ついたよね?
何が手伝って欲しいことがある。だよ!!!
くそ!!!よくも騙したな!!!


この間にも三郎の手はどんどん上に侵略してくる。


嘘!!!!!!嘘!!!


「三郎、おま、正気?止めとけ!!!殺すよ!?お兄ちゃんが」
「俺とお前の仲だろ、照れんな」
「どんな仲だよ!!!」
「大丈夫、お前が貧乳なのは気にしないから」
「そういう問題じゃねぇぇえ!!!」
「ーあ、三郎探した・・・よ」


急に開いた扉にその場が固まる。

私と三郎が討論しているうちに私の救世主が現れた。


「雷蔵!!!」


よかった!!!よかった!!!
神様は私を救って下さった!!!
歓喜の気持ちが溢れる私に対して三郎は青ざめていく。


「・・・・三郎、何してるの?」


普段の雷蔵からは想像できないくらい低い声にその場の空気が一気に下がる。


「あ、ら、雷蔵?今日も髪が不破不破だな!!」

「何してるの?」


笑顔なのに笑ってない。
張り付いた笑顔の雷蔵の背後から物凄い殺気が溢れている。
さっきまでの勢いはどうしたのだろうか、三郎はどんどん小さくなっていく。


「日本語通じないの?何してるのか、って聞いてんだよ」

「その、雛とヤろうと・・・」


素直に答えると雷蔵は黙り込んでから、なんだぁと言った。


「そんなの雛に頼まなくてもよかったのに」

「・・・え?」


「僕が殺ってあげたのに」
「雷蔵!?漢字!!違う!!!」
「遠慮しないでよ。僕と三郎の仲だろ?一瞬で終わるから」
「私の人生が!?」


今にも死にそうな三郎。
同情なんてしない。いい気味だ。
変な気を起こした自分を恨むんだな!!!!


そのまま三郎の襟足を掴んで笑顔のまま退出する雷蔵。


「ごめんね、雛。三郎は僕がきちんと殺っ・・・絞めておくから」
「謝らないで雷蔵は悪くないから。三郎は・・・・再起不能にしといて」
「任せてよ」


悪戯ぽっく笑って三郎を引きずって出ていく雷蔵を見送ってから、一息つく。



「はぁ、マジで危なかった・・・」


もう少し雷蔵が来るのが遅かったら未遂では済まなかったかもしれない。
本当に雷蔵には感謝しきれない。


「もう少しだったのにねー」
「うん。もう少しで危なかっーーーえ?」

え?ここには誰も居ないはずだよね!?
あ、妖怪?幽霊?
どっちにしても怖い!!!!


「ハロー」
「勘ちゃん!!??」


しかし現れたのは妖怪でもなく幽霊でもなかった。
いったい、どこから現れたのだろうか。
というか何時からいました!?


「ずっと居たよー。昼寝して起きたら雛が三郎に襲われてたww」
「へーそうなんだーって、見てたなら助けてよ!!!」
「え、なんか面白そうだったし。公開プレイとか萌えるじゃん?」
「わーお前許さん」


再度、雷蔵に感謝する。
本当に雷蔵が助けてくれてよかった。
初めてが他人に見られてるとか!
笑えねぇ!!!!!!


「それより雛いいの?」
「は?」
「七松先輩が探してたよ。あと5分後に来ないといけいけどん「嘘ん!!!??」


それはマズイ。大いにマズイ。
兄の機嫌を損ねるわけにはいかない。
自分の身を保障するために直ちに兄の下へ向かう。


「あ、ちょっと待って!!」
「え、何?」

勘ちゃんに腕を掴まれて立ち止まる。
何事かと思い顔を上げると照れた勘ちゃんの顔が目の前に。
いつになく真剣な顔してどうしたのだろうか?



「さっきの見て少し興奮しちゃった。ちょっと付き合って」
「知らんがな!!自分で処理しろ!!!」


どいつもこいつも発情期ですか!?

えーやだよーと笑う。
え、ち力強っ!!
三郎の時とは比べ物にならない。
ラスボスかっ!!!


え、嘘?

まさか・・・




危機再来!!!???







(雛!!!見つけた!!ーー尾浜、お前何してんだ)
(な、七松先輩・・・)
(お兄ちゃん!!助けて!!!)


(おう!!ーーーー尾浜、覚悟できてんだろうな)
(・・・・・はい)



(・・・本当のラスボスはお兄ちゃんだな)
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