なんということでしょう。

□7:家庭教師GEEEN!!!
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期末試験オワタ(^q^)


今回の期末は私なりに結構、自信があった。
何せ、日直の仕事をサボったあの日から毎日居残りで
あの鬼瓦のような顔の木下先生と毎日勉強をしていたのでこれは今回のテスト、いけるんじゃね?
とか調子に乗っていた。

しかし結果は悲惨なものであった。

なんと解答欄をずらすという典型的な大ミスをおかしてしまったのである。

ヤバすぎるだろwwwこのw点数ww
29点とかww確かにこの時、お肉を食べたかったんだよなー
ーーーはい。笑えない。
くだらない思考を捨てて真面目に今、直面している問題について考える。
・・・・いや、マジでヤバイぞ。この点は。
兄は驚くほど頭が悪いが兄のこと馬鹿にできない。
こんな点数じゃ兵助や勘ちゃんは勿論、はっちゃんにも負けちゃう!!!
はっちゃん、男前だけど頭は悪いからなぁ。


「はぁ・・・」
「うわっ、おま、点数残念過ぎんだろ」
「ぎゃああ!!勝手に見るなぁあ!!」


油断していた一瞬の間に三郎に後ろから解答用紙を奪われる。
その点数を見ると「え、おま、これは」とか言ってやがる。
微かに笑っている口元が憎たらしい。


「ちょっと止めてよ!!!プライバシーの侵害よっ!!!!」
「いや、これは護るほどのプライバシーじゃないだろwwお前、これハチより低いぞ」
「え、嘘!!!!」
「嘘じゃない。アイツ31点だし」


立て続けの信じたくない現実に本気でショックを受ける。


「そんな・・・はっちゃんに負けたなんて」
「お前、ハチに失礼だな」
「信じたくないーーーーっ!!!!」


クラス中の視線が私に集まる。
絶叫を上げる私に気づいた雷蔵が近くにやって来る。


「どうしたの雛は。そんな大声挙げて」
「テストがヤバかったんだとさ、ほら」
「・・・あちゃ〜、これは酷いね」
「うっ、もう、生きてけない・・・」
「雛、また次、頑張ればいいじゃないか。雛なら大丈夫だよ」
「雷蔵・・・」
「ま、この点数は記録に残りお前の内申に響くけどな」
「もう死にたい・・・・」
「三郎!!!!」


このテストが原因で卒業できなかったらどうしよう、
とかもう本気で内申オール2なんじゃないだろうかと自分の未来が心配だった。


「まぁこの機会に、お前もともとあまり頭良くないし勉強教えてもらったらどうだ?」
「アンタは歯に衣を被せるとか、そういうのないの?」


何の気遣いもない三郎の言葉に心が抉られる。
確かに貴方は頭がいいですけどねっ!!
今回だって上位に入ってるんですよね!!!バカヤロー!!


「でも雛、三郎は後で絞めておくとして、勉強を教わることはいい案だと思うな」
「そうかな・・・」
「うん。僕だって雛と一緒に卒業したいよ」
「雷蔵っ!!!」


あまりにも雷蔵が可愛い事を言うので思わず雷蔵に飛びつく。
隣で両手を広げている三郎は無視して。
何なの?天使過ぎるでしょ!!!
雷蔵にそんな事を言われたら勉強するしかない。


「私、勉強するよ!!!!」


決心して立ち上がるとクラスからワァッと歓声が上がる。


「七松、頑張れよー!!」
「お前なら出来る!!!」
「ありがとう!!皆、ありがとう!!!」

「授業始めていいか?」






「本日、お前の勉強を見ることになった。潮江文次郎だ」
「なんで!?」


家に帰ると何故かギンギーーじゃなくて潮江文次郎が私の部屋の前で仁王立ちしていた。


「なんで文次郎が家に居るの」
「おい先輩を付けろ。先輩を」
「警察!!誰かー!!!ギンギンな変質者が私の部屋にいます!!助けてー!!!」
「おい!!!誰が変質者だ!!バカタレ!!」
「いやぁ!!!喋った!!キモいっ!!」
「泣いていいか?」


私だけじゃない。私だけじゃないと思う。
誰だって家に帰ったら中年のギンギンしている男がいたら驚くだろう。
私は女子高生としていたって正常な反応をしたまで。


「てか本当になんで此処にいるの?帰っていいよ」
「鉢屋にお前に勉強を教えてやれと頼まれたからだ。お前の母さんにも許可は頂いた」


な、なんだと?
三郎、君、何勝手に物事進めちゃってくれてんの?いい迷惑ですよ?
なんでよりによって文次郎なの?
他にいるじゃん?もっとマシな人が。
3年生にするなら長次先輩とかいるじゃん?なんでギンギン?
お母さんも何許可してんの?
ギンギンが生徒会長だから?は?


要約、とにかく皆許さん。


「いや、本当に帰ってくれていいからね?バイバイ?出口はあちらです」
「一度受けた役目を放り出すことはできん。
お前の母さんからせめて順位を半分内にしてほしいとの要望もある」
「真面目かっ!!!」


でもよく考えたら勉強を教わるなら文次郎が一番、無難でいいかもしれない。
1組ということは特進科だから頭も良い。生徒会長だし。
同じクラスの立花先輩は色々駄目だ。
兄は私より馬鹿だし、食満先輩と伊作先輩は勉強どころではなさそう。
だからといって同級生となると
兵助は必ず豆腐の話になってしまう。
はっちゃんは馬鹿だし
勘ちゃんと三郎においては身の危険がある。
うん。文次郎で良かったかも。

あ、長次先輩と雷蔵とか、そんな高望みはしません。はい。

「勉強教えてくれてもいいよ」
「なんでお前はそんな偉そうなんだ。小平太か」
「お兄ちゃんと一緒にすんな。殺すぞ」
「だから俺、先輩だから!!!」


未だに叫んでいる文次郎を無視して勉強机に向かう。
数学苦手だからなー。数学教わろうかな。
教科書とノートを開いて問題に目を通す。
うん。さっぱり分かんない。


「文次郎。ヘルプ!!!」
「俺はお前の召使いか」
「いいから早く!!」
「はいはい」


これは今までにみた数学の問題でもかなり難しい。難問だ。
やってきた文次郎に問題を見せる。
すると文次郎は眉を潜めて「本当に解けないのか」と言った。


「分からないから質問してるんですけど」
「お前なぁ、これ中学生レベルだぞ。ウチの神崎でも解けるな」
「え、私、中等部の神崎くんにも負けてるの?」
「下手したら左吉にも負けてるな」
「任暁くんってまだ一年生だよね!?」


文次郎が哀れんた目で私を見る。
止めて!!!そんな目で私を見ないで!!!
本当は分かってたし!!!分かってたもんね!!!


「お前、ウチがエスカレーター式の学校で良かったな。
普通の公立の中学だったら行く高校なかったんじゃないか?」
「そんなに!?」
「このままじゃ大学も行けないかもしれないぞ」
「嫌ーー!!!そんなのは嫌!!!!」
「まぁ、もしもの時は俺が「ねぇ!!!この問題はっ!!??」
「・・・・あぁ、この問題はな」


神様、私はこれから真面目に勉強することを誓います。
三郎の宿題を写させてもらうなんて愚かな真似は致しません!!!
だから私に明るい未来を!!


「ねぇ文次郎、お願いがあるの!!!」
「あ?なんだ」
「これから部活が終わったら寄り道せず、すぐ帰ってくる!!!だから私の家庭教師をして欲しいの!!!」
「は?」
「このままじゃ大学に行けない!!お願い!!」


必死になって頼むと文次郎は目を丸くして私を見つめた。


「・・・これから?」
「うん!!!」
「毎日か?」
「うん!!」
「本気、か?」



「お願いします!!!(周りが変態過ぎるから)こんなこと文次郎しか頼めないの!!!」



ピシッと何かが割れるような効果音がなり文次郎の頭がフリーズした。
しばらく経つと不気味な笑い声が聞こえてきた。


「しょ、しょうがねぇな!!!まったくお前は!!!俺がついてやんねぇと駄目だな!!」
「え?あ、うん」
「っ!!!ま、毎日来てやるよ!!毎日な!!」
「あ、ありがとう!!」


文次郎のテンションが異常に高いのは置いといて、これで少しの保険ができた。
絶対に頑張る!!いつか三郎をギャフンと言わせてやるんだから!!!






あ、でもその前に中学生用のドリルやんないとなぁ







(しょうがねぇから俺と同じ大学行けるようにしてやるよ!!!)
(別に文次郎と同じ大学行きたいなんて一言も)
(よし!!!雛!!!ギンギンに勉強するぞーーーー!!!!!!)
(お、おぅ)
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