Routine
□一章
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「改めてはじめまして!高尾和成でっす」
今、元気に自己紹介をしてくれたのは、秀徳高校PG高尾和成君だった。
最初、横に座ったときは私の顔をまじまじと見ては、考えるようなしぐさをする。
どうやら誰かに似ているらしい。
「あーーーっもうだめだ!分かんねぇ!」
…諦めてしまったが。
まぁ、誰かに似てるだなんて答えは、私の名前をいってしまえばすぐに分かるだろうが。
だから高尾君に名前を訪ねられたとき、敢えて私は質問してみた。
「…君は私を誰かに似ていると言った。君の回りにはいない?私に似た人。分かったら名前を教えてあげる」
「え?おねーさんに似た人っすか?」
えー、誰だろ。と、また再び考え始めた高尾君。
考えに考えた結果、やはり思い付かなかったらしい。
・・・
…あの人、影薄いのかしら。
ヒント!と請う高尾君。
個人的ににてると思ったんだけどなぁ…。
私は少し苦笑いを浮かべると、他の席で食べている緑間真太郎に視線を移した。
「…彼、なかなかクセがありそうだよね」
「あー…分かります?真ちゃんよく先輩を怒らせて」
「先輩?」
「そ、『轢くぞ』ってよく言われるんすよー」
なんて言って、ゲラゲラと大笑いしていた。
…ああ、なるほど。
・・
「…兄に轢かれないようにね、高尾君」
「あはは、俺は轢かれませんよーって…兄!?」
驚いたように声をあげる高尾君。
ちょ、回りからみられてるから!
そんなことはお構いなしに、じーっと顔に穴が開くんじゃないかと思うくらい見つめてきた。