君と見た花の名
□赤に咲いた花
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少し昔話に付き合ってくれないだろうか
初めて妹子を見たのは、私が彼を遣隋使に選んだときだった。
仕事も的確にこなし、朝廷内でも評判の良い男。
この男なら、隋に派遣して大丈夫だろう、きっと成功する。
そう思ったことがきっかけかもしれない。
とは言え私は倭国の主要人物。
命を狙われることは珍しいことではない。
どんな人物であろうと、警戒の心は常にある。
いつからだろうか、私が心を開くことを躊躇い始めたのはーーーー…
成り行きで一緒に隋に行くことになった私は、妹子と共に筏で船に追い付こうとしていた。
自分のまんじゅうを分けてくれた。
フェイントかけて小さい方渡してきたけど。
何故だかはわからない。
けど、私の心を満たしてくれたのは確かだった。
ーーーーー妹子は…
今までのやつとは違う。
私の位など気にもせず、率直に物事を言ってくる。
ーーーーー何て素直なんだろう…
ーーーーーー私は妹子を
信じても、良いのだろうか。