君と見た花の名
□やっぱり嫌い
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翌日、彼らはやって来た。
「本当に来たよ…もうやだ………」
私は和尚さんが挨拶をしろと言ったことすら聞く耳を持たず、自室の布団に潜り、身を丸めていた。
するとスパンと開かれる障子。
見ると手にはお盆を持っている。
まさか…。
嫌な予感しかない。
「すまないがこれを持っていってくれないか?」
……嫌な予感当たったあああああああああっ!!
* * *
あのあと何度も防戦を繰り広げ、結局負けてしまった私は、今こうして彼らのいる部屋の前に来ている。
ていうかお盆を持ってウロウロしている。
ああもう何で私が…。
改めて手元のお盆を見ると、白い取っ手のついた湯飲みに、茶色い飲み物。
飲み物なのか?これ。
こんなもの飲むのか…。
仕方ない、さっさと渡して退散するかと思い、障子に手をかけたその時だった。
「うわっ!?すみません人がいるとは知らずに…大丈夫ですか?」
突然、障子が開き中から片方のか髪を上げ、赤い紐?を首に巻いた人が現れた。
…何だその格好。
異人はみんなこうなの?
あまりの衝撃に呆然と立ち尽くしていると、その男は
「あ、コーヒー持ってきてくれたんですね。丁度取りに行こうと思ったところだったんです。どうぞ中に入ってください」
と言って半身引いた。
何故か私が案内される形で部屋の中に入ってしまった。
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