海賊オリジナル

□初めての恋が終わる時
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はじめてのキスは涙の味がした…

それはまるでドラマのような出会いだった…
そして突然の恋。
俺の気持ちを見計らったかのように発車のベルが鳴った…

冷たい冬の風が頬をかすめる。
ナミさんが言うには次に着く島は冬島らしい…
こりゃ今日は冷えるな…
夜のメニューは温かいものにするか!!
そう考えながら吐いた息で両手をこすった。

バシッ

『いてぇっ!!』

冷えた顔にいきなり何かが当たり頬に痛みが走った…
当たったものを確認するために目線を下にすると手袋だった。
そして飛んできた先に目をやる…
やはり犯人はこいつだ。クソマリモ。

『てめぇ…!!手で渡せばいいじゃねぇか!!』

『てめぇが寒そうにしてたからだろ!!』

ここからいつも通りの大喧嘩になっていく。
そしてやはりナミさんの美しい手に殴られ喧嘩が終わる。
この日常がいつまでも続くと思っていた…

上陸した島の街はイルミネーションがとてもきれいだった。
まるで魔法をかけたみたいだな…
裸の街路樹までキラキラしている。
この島のログは約3時間で溜まるとロビンちゃんが話していた。
それぞれが自分の用事を済ませ、船に集まるのは早かった。

おやつの時間となり、
珍しく全員がダイニングキッチンで今日のおやつを食べていた。
最後にレディ2人が食べ終わると同時に
俺はそれぞれに飲み物を配りだす…
最後にマリモの前に緑茶を置いたと同時に
マリモが口を開いた…

『隣の島に鷹の目がいるらしい。』

一瞬で騒がしかった船内が静かになった。

『それで…あんたはどうすんの?』

ナミさんが全員を代表してゾロに問う。

『おれぁ…行く。』

『じゃあ行って来い!!』

いつものように軽い口調でルフィが言った。

『では…なにで隣の島まで行くつもりかしら?
私達と船で行く?この島には海列車もあるわ。』

この島に着いてすぐに
この島についてを調べてきたロビンちゃんが交通手段を提示した。

そりゃ…
迷子癖のあるこいつを一人で行かせりゃ
島まで何日…いや何カ月もかかっちまう。
むしろ数年だ。

『迷子マリモは一人じゃ行けねーだろ。』

『いや。海列車で行く。』

は…?

『無理だろ。』

『大丈夫だ。』

『ゾロがそう言うなら仕方ないわ。なんとかなるわ。諦めなさいサンジ。』

『でも…』

『でもじゃないわ!!サンジくん!!
そうと決まればすることはたくさんあるわ!!』

その後の話しあいで
すぐにでも出発したいと主張するマリモの意見を尊重して
今日の一番最後の便でマリモの出発が決まった。
そして…
迷子を駅まで輸送する係はなぜか俺に決まった。

夜までまだ時間がある。
俺は一人展望室に上がり煙草に火をつけた。
どうしても言えなかったんだ…
この気持ちは押さえつけるしかない。
前から決めていた事だからこれでいいんだ。
俺は振り向かねぇし
てめぇも振り向かないで進んでいくんだろう。
いいんだ…これで。
俺はフィルターギリギリまで煙草を吸いみんなのもとへ戻った。
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